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インタビュー《人事のキャリア》| 多様な選択肢

人事からいきなり新規事業の責任者に! 自ら手を挙げたその心とは――ヤフー 佐野ひかりさん

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 人事は業務の幅が広く、キャリアの積み方も多様である。とはいえ、人事から事業責任者になるというケースは、かなり特殊ではないだろうか。なぜ人事から、事業責任者の道を選んだのか。そして事業責任者になった今、人事で培ったスキルや経験がどのように活かされているのか。「Yahoo!テックアカデミー」の事業推進責任者である佐野ひかりさんに話を聞いた。

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なぜ人事から事業責任者になったのか

はじめに、佐野さんのこれまでの経歴を教えていただけますか。

 ヤフーは2社目で、前職はインターネットの広告代理店でした。前職には新卒で入社したのですが、最初から人事に配属されて。一時的に経営企画に行ってIR部門に関わったこともあるのですが、基本的にはずっと人事です。その後、2015年12月にヤフーに転職して、今に至ります。

 ヤフーでは人事の中でも人事開発を担う部門に3年ほどいて、その後、評価制度を中心とした人事の制度企画部門のマネージャーとして2〜3年ほど従事しました。そこからコマース領域の部門人事に異動して、HRBP(Human Resource Business Partner)を務めています。

 今回、「Yahoo!テックアカデミー」という新規事業を立ち上げることになり、2022年9月末から携わることに。HRBPと兼務をしながら、同年11月から室長に就いています。

佐野 ひかりさん
佐野 ひかり(さの ひかり)さん
ヤフー株式会社 ピープル・デベロップメント統括本部 ヤフーテックアカデミー推進室 室長
2015年12月にヤフー株式会社に入社。人材開発担当をした後、制度企画、HRBP部門でマネージャーを担当。2022年9月にプログラミング教育の新規事業立ち上げプロジェクトに加わり、同年11月より同サービスの事業推進責任者としてヤフーテックアカデミー推進室室長に就任。

Yahoo!テックアカデミーとは、どのような事業なのでしょうか。

 主にプログラミング未経験の方に向けた、オンラインのプログラミングスクールです。スクールなのでメインは学習なのですが、それだけでなくエンジニアとしての転職支援までがサービス内容に入っているのが特徴です。希望者には、実際に求人を紹介したり、面接対策をしたりもします。

ずっと人事でキャリアを積まれてきたのに、なぜ今回事業側に行こうと?

 Yahoo!テックアカデミーが立ち上がった経緯をお話しすると、ヤフーが社内で行っている取り組みである「未来妄想会議」といういわゆる事業コンペの中で、多くの社員から教育事業に関する事業アイデアが出されていたことがきっかけでした。教育がテーマということで、まずは人事主管でやってみようかと。私はマネージャーだったので、メンバーに対して「人事の中で、今度こういうのが始まることになったけど、新しい挑戦になるのでやりたい人がいたら積極的に手を挙げて」と声をかける立場だったのですが、そんな私が真っ先に「おもしろそうだから、やりたいです!」と手を挙げていました(笑)

 私が事業の立ち上げに興味を持った理由は、HRBPでの経験があったからです。HRBPは事業や組織に対して、間接介入にとどまるケースも多いと思いますが、事業責任者のみなさんと一緒にサービスを作りたい、何と向き合ってサービスを作っているのかを理解してもっと寄り添いたい、という思いは強かった。しかし、どうあがいても当事者にはなれない現実に、歯がゆさを感じていたんです。人事とはそういうものだといわれれば、それまでなのですが。

なるほど。人事として、事業責任者との距離感に難しさを感じていらっしゃったのですね。

 そうですね。役割が違うからこそ提供できる価値があるとは思うのですが、事業責任者とちゃんと目線を合わせられているのかな、といったところに、ずっとモヤモヤしたものを感じていました。それを払拭するには、自分が事業を作る側に行ってしまったほうが早いのではないかと思うようになって。とはいえ、私は「この事業に関わりたいです」と手を挙げただけで、まさかいきなり責任者までやらせてもらえるとは思ってなかったんですけど。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

北浦 汐見(キタウラ シオミ)

都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事...

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