マンダムは、4月1日より等級・評価・報酬制度などを全面的に刷新した新人事制度の運用を開始した。
人事制度改革の概要は次のとおり。
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- 等級制度
- 経験年数を重視し、職務遂行能力の獲得・保有に応じて等級を付与する職能等級制度から、役割を基準とした役割等級制度(ジョブ型)に変更。
- 等級制度におけるポイント
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- 経営基幹職(上位等級)は、各ポジションに求める職務内容・人財要件を記載したジョブディスクリプション(職務記述書)を策定して等級を決定。また、策定したジョブディスクリプションは育成・配置・採用などに活用しながら適所適財を実現。
- 業務基幹職(下位等級)では、定義した役割の内容によって等級を決定。多様な経験による成長を促進。
- 役割を基準とするジョブ型の人事制度の考え方にのっとり、年齢基準で解任の決まる役職勇退制度を撤廃。
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- 評価制度
- 役割等級制度に変更することに合わせ、役割に応じた公平公正な評価制度へ変更。また、社員一人一人が継続的に挑戦し続けられる環境を整備。
- 評価制度におけるポイント
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- 各自が付与された役割のプロとして行動することを期待し、役割を基準としながらチャレンジやそれに基づく成果を評価。
- 「期待役割に基づく職務がどうあるべきか」を上司と部下がバックキャストで協議し、ゴールのレベルを設定。
- 環境や状況の変化を踏まえ、上司が部下と定期的に面談し業務の進捗確認や問題解決への支援を行う「職務1on1」を継続的に実施。期中のチャレンジによる失敗も「職務1on1」で振り返りを行うことで学びに変え、学びは成果として評価。
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- 報酬制度
- 役割の大きさやチャレンジによる成果を適切に処遇に結び付け、処遇面でもやりがいを感じられる仕組みを整備。
- 報酬制度におけるポイント
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- 役割の大きさをベースとして等級ごとに基本給レンジを設定し、同一等級同一報酬水準とする。
- より結果が求められる上位等級になるほど、評価に応じて報酬をアップダウンさせる仕組みとし、企業業績と賞与額を連動させる業績連動賞与の仕組みを社員と共有することで透明性と納得性を向上。
同改革は、昨年8月に発表した、「ジョブ×キャリア自律を起点とした人事の仕組み改革(Mandom HR Transformation、MHRX=マークス)」の一環。今後は、キャリア開発やタレントマネジメントを順次整備する予定で、グループの価値創出に向けて、変革・挑戦できる組織と人材の創造を目指す。
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