文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所は、2024年卒業予定の学生を対象とした就職ブランドランキング調査の結果を発表した。
調査概要と結果は以下のとおり。
- 調査名:2024年入社希望者対象 就職活動[前半]就職ブランド調査
- 調査対象:2024年春入社希望の「ブンナビ」会員 (現大学4年生、現大学院2年生)
- 調査期間:開始:2022年10月1日 ~ 終了:2023年3月15日
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- 調査方法:
- 文化放送キャリアパートナーズ運営の就職サイト「ブンナビ」上でのWebアンケート
- 文化放送キャリアパートナーズ主催の就職イベント会場での紙・アプリアンケート
- 文化放送キャリアパートナーズ就職雑誌&デジタルブック内QRコードアンケート
- 調査形式:投票者1名が最大5票を有し、志望企業を1位から5位まで選択
- 有効回答数:2万4362(うち男子1万3050・女子1万1312、文系1万8560・理系5802)
伊藤忠商事が4年連続で総合TOP
伊藤忠商事が、21年卒前半から4年連続で総合1位となった。男子・女子・文系でも同じく4年連続で1位となり、確固たる人気を誇っている。5大商社も上位にランクイン(男子ではすべてTOP10入り)、専門商社もそこに続く形となり、商社全体に注目が集まっているといえる。最近、「『ゆるい職場』ゆえの退職」というニュースがあったように、「職場の成長環境」にもスポットが当てられている。商社は多岐にわたる業界との取り引きもあり、幅広い知識やスキルを身に付けられるイメージがあるという点も、好意的に受け取られる要素の1つになっている。
オンライン化が定着し早期化が加速、内定率は10ポイント近く増加
オンライン対応を余儀なくされた22年卒&23年卒を経て、24年卒の就活ではオンライン化が完全に定着した。企業・学生ともに、オンライン/オフラインを使い分け、早期から接触を図っている。昨年同様、オンライン化が進むことで学生側の「意図しない厳選化」(選択肢の減少)が起こり、企業側の人材獲得競争が過熱した結果、これまでにないスピードで就職活動の早期化が進んでいる。
このことは、3月上旬時点での「エントリー社数」などの数値に非常によく表れており、「内定率」に至っては10ポイント近くの伸びとなった。
「すでに就活を終了した」という項目も、23卒の5.0%から24卒では9.0%とほぼ2倍となり、情報収集から意思決定までが非常に早い時期に進んでいることが分かる。早期(年内)に接触した業界・企業で選考を進める傾向が強く、その点で金融業界など積極的にインターンシップやプレ広報を行う業界の注目度が高くなっているといえる。
平均エントリー社数 | 内定率 | |
---|---|---|
24卒 | 14.1社 | 36.1% |
23卒 | 14.6社 | 26.9% |
22卒 | 16.2社 | 23.9% |
21卒 | 13.9社 | 14.9%※ |
20卒 | 20.1社 | 8.1% |
19卒 | 18.4社 | 4.9% |
18卒 | 32.4社 | 7.7% |
※21卒は、年明け以降コロナ禍で採用活動が変則的
航空業界が回復傾向、食品業界は30社ランクインで過去最多
コロナ禍による業績悪化は就職人気にも影響を与えていた。航空系をはじめとして、観光系の業界は軒並み注目度を下げ、中には新卒採用の計画自体にも影響が出る例もあった。今回の調査では、過去人気を誇った全日本空輸・日本航空がTOP100に返り咲き、ホテルや旅行も復調の兆しを見せている。また、食品メーカーは、コロナの巣ごもり需要と業務用食品需要の減少という両面で影響を受けたが、原燃料高に苦しむ現在でも就活生の人気は高く、TOP300の中で業界最多の30社がランクインする結果となった。CM・プロモーションなどでも、身近なサービスであり、就職先としても認識しやすいことが背景にあるといえる。
IT系業界に注目が集まる、AI・DXなどのトレンドも後押し
ChatGPTに代表される「AI」や、ここ数年でビジネスでもバズワード化している「DX」など、IT系の領域では業界にとどまらないトレンドが生まれている。その流れを受けてか、もともとここ数年で就活生からの人気が上がりつつあったIT系の業界・企業に注目が集まっている。
とくに、DXに関して就活生の関心は高く、支援する立場としてのIT業界のほかにコンサル・シンクタンク系の業界、各業界内での「DX推進企業」にも注目が集まっている。
属性別の順位は以下のとおり。
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