奈良市は、女性管理職率が過去最高となる35%、および男性の育児休業取得率が2年連続で4割を超えたことを発表した。
奈良市ではこれまで、男女を問わずに子育て中の職員が能力を存分に発揮できるよう、とくに「女性の活躍」に焦点を置き、女性管理職率の増加や男性の育児休業取得促進に力を入れてきたという。
その結果、平成21年度には10%以下であった女性管理職の比率が平成29年度までの8年間で3倍以上となり、総務省が策定した「令和2年までに30%超」の目標を平成29年度には達成した。令和5年度は35%と過去最高の比率となっており、令和7年度までに40%を目指す。
これまでの取り組みは次のとおり。
- 2001年(平成13年)3月 奈良市男女共同参画計画(10年)策定
- 2003年(平成15年)3月 奈良市男女共同参画推進条例 制定
- 2011年(平成23年)3月 奈良市男女共同参画計画(第2次)(10年)策定
- 2016年(平成28年)3月 奈良市女性職員活躍推進ポジティブ・アクションプラン
- 2022年(令和4年)3月 奈良市男女共同参画計画(第3次)(5年)策定
- 2022年(令和4年)実施分から 係長試験の実施方法の見直し[1]
また、奈良市職員の男性の育児休業取得率も全国平均を大きく超えているとのこと。令和元年度~3年度で37.4ポイントと大幅に伸びており、令和4年度は61人中25人が育休を取得した。
これまでの取り組みは次のとおり。
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- 平成28年度~
- 「職員のための子育て応援ハンドブック~Let’sいくジーカ~」の配布
- 子育て中の職員が利用できる休暇などの制度をまとめたハンドブックを配布。
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- 令和2年度~
- 「パパ♡ママ応援プロジェクト」
- 育児休業などを取得しようとする職員に対する、職場でのフォローアップ制度。本人と上司が出産・子育てのための計画を立てるためのフローを設け、このフローをもとに人事課からもフォローを行う。
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- 令和4年度~
- 「パパ♡ママ職員インタビュー」動画での周知
- 実際に育児休業制度などを利用した職員のインタビューを配信(職員のみの限定公開)。育児に関する休業への認知を高め、育児と仕事の両立がしやすい職場環境づくりを行う。
注
[1]: 筆記と口述の二次試験方式であったものを総合評価方式に変更。筆記試験の合格者は、次年度以降の筆記試験が免除されるなど、受験者の負担を軽減する内容に変更。
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