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HR Techのこころ | #23

PROJECT COMP——「給与」に相場データに基づく合理性をもたらし従業員の納得感を醸成

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 従業員の「給与」は、働く意欲や勤続する意思に大きな影響を与える。しかし、現在の売り手市場では、社内の評価(給与)だけで従業員に納得感を持ってもらうのは困難だ。評価には市場の給与相場の反映が必要である。その点にフォーカスしているのが、株式会社PROJECT COMPのサービス「PROJECT COMP for Business」だ。同サービスでは、給与相場をデータベースで確認できるほか、自社にマッチした評価制度の構築や運用プロセスのサポートも提供している。今回は、元DeNAの人事本部長で、現在はPROJECT COMP 代表取締役社長兼CEOである田川啓介氏に、従業員の納得感を高める評価方法について伺った。

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社内の不公平感や情報非対称性を解消したい

——御社の設立に至るまでの経緯を教えていただけますか。

 新卒でディー・エヌ・エー(以下、DeNA)に入社し、独立するまでの最後の5年間は南場さん(DeNA 代表取締役会長 南場智子氏)と一緒に働くことが増え、南場さんがデライト・ベンチャーズを設立するタイミングで、私も独立して事業を立ち上げることを決意しました。

 当時、私がDeNAのHR本部長として感じていた課題は、従業員に給与の妥当性を検証する方法がないという点でした。私自身は、グループ全体の評価データや転職エージェントからの情報に触れられる立場にあったため、給与の相場観がありました。しかし、一般の従業員は給与・評価についてのデータや情報に触れることができず、自分の給与が社内においても市場においても適正であるか確認できません。従業員が上司の評価に納得できず転職を考えても、「いまと同じぐらいの給与が受け取れるのか」といった不安で二の足を踏むこともあります。

 もし給与情報を透明化し、社内の情報非対称性を解消できれば、従業員は不平不満を抱えて現職にとどまるのではなく、「いま、自分は市場価値を上げるためにここにいるんだ」という、もっと合理的な意思決定ができるでしょう。また、自分に適したポジションが別の部署、あるいは転職先にあるかもしれないという視点も得られるはずです。そのようにして人材流動が起こり(あるいは納得して現職にとどまり)、最終的に誰もがより高いパフォーマンスを発揮できることを目指して、PROJECT COMPを立ち上げました。掲げたミッションも、ずばり「給与市場を透明化して、人材流動性を高める」です。

田川 啓介氏

田川 啓介(たがわ けいすけ)氏

株式会社PROJECT COMP 代表取締役社長兼CEO

早稲田大学理工学研究科を卒業後、2008年にDeNAに新卒で入社。ECショッピングモール事業の営業や新規事業リードを経験したのち、エンジニアに転向し2年ほどゲーム開発に従事。DeNAゲーム子会社を創業し、代表に就任。その後、DeNAグループのHR本部長、マーケティング執行役員、新規事業推進室長を経て、2020年より起業準備を始め、株式会社PROJECT COMPを創業。『給与市場を透明化して、人材流動性を高める』というミッションの下、給与データベースを軸としたサービスを個人向け・法人向けの双方で展開。

——御社では、今年5月に新サービス「PROJECT COMP for Business」の提供を開始されました。サービスの提供に至った理由や経緯、ならびにサービスの内容を教えていただけますか。

 PROJECT COMP for Businessは法人向けサービスで、「給与の適正調査(報酬サーベイ)」「評価制度の構築・管理(クラウド)」「評価制度の運用(適切な報酬決定)」の3つを企業に提供しています。

 もともと当社は、2020年よりITエンジニア個人向けに給与データサービスを提供してきました。ITエンジニア自らが給与情報を登録することで、給与の相場を確認できるサービスです。その後、2022年頃から経営者や人事担当者から「適切な報酬を決定したいので、法人向けに給与データベースを提供してほしい」という要望が増えていきました。それがPROJECT COMP for Businessをリリースするきっかけとなりました。

 企業は自社の給与情報を登録すると、国内の有名スタートアップやメガベンチャーを含むIT企業群の給与相場データを閲覧できるようになります。また、コンサルタントが従業員1人ひとりに対し、相場と比較して給与や昇給率が過大か、過小か、適正かを分析しレポートするので、評価制度変更の方向性も分かります。

【出典】PROJECT COMP for BusinessのWebサイト
【出典】PROJECT COMP for BusinessのWebサイト
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 なお現在は、企業からITエンジニア以外の職種についても給与データを提供いただいており、ITエンジニア以外の職種(営業職、コーポレート職など)の給与相場も知ることができるようになっています。

 給与データを参考に適切な報酬が分かるようになると、次は評価制度設計が課題となります。たとえば、年収600万円の従業員が、競合他社で年収800万円のオファーを受ける可能性がある場合に、その従業員の年収を200万円アップするべきかどうかという判断は、企業にとって難しいものです。その判断が原因で社内に不公平感が生まれるかもしれません。これを防ぐには、評価制度そのものに給与相場を組み込む必要があります。PROJECT COMP for Businessではこの評価制度の更新をサポートしており、クラウド上で給与相場を組み込んだ新しい評価制度を簡単に作成できます

【出典】PROJECT COMP for BusinessのWebサイト
【出典】PROJECT COMP for BusinessのWebサイト
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 評価制度が構築できると、今度は評価制度の運用が課題となります。上司の評価の“甘辛”によって昇給額や賞与の金額が変わるからです。PROJECT COMP for Businssでは、たとえば従業員の5段階評価が社内でどのように分散しているかを可視化して、上司が「自分の評価は甘いんだな」「評価が3に偏っているんだな」と気づける仕組みの提案などを行っています。

【出典】PROJECT COMP for BusinessのWebサイト
【出典】PROJECT COMP for BusinessのWebサイト
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 とはいえ、それだけで公平な評価が必ずできるともいえませんし、制度が更新されたときには評価者(管理職)はそれに則って評価を行うようにならなければなりません。この課題を解決することを求められたときには、他社が提供する評価者研修サービスを紹介することもあります。

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この記事の著者

市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 優子(ヤマダ ユウコ)

神奈川出身。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、大阪に拠点を移しさまざまな業界・職種を経験してきたが、プロジェクトベースの働き方に魅力を感じて2018年にフリーライターに転向。現在はビジネス系取材記事制作を軸に活動しながら、チームで商品企画・開発にも挑戦中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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