ネットワーク情報セキュリティマネージャー(以下、NISM)資格は、ネットワーク情報セキュリティマネージャー推進協議会(以下、NISM推進協議会)が、ハッカーやサイバー攻撃の脅威に対処するために、情報セキュリティに関するスペシャリストを育成・配置することを目的に設立した資格。
ベンダーフリー資格であることから、特定のベンダーに依存することなく、幅広く対応できる能力が身につけられることが特徴だという。認定試験と講習会をセットにした資格制度になっており、講習会では実機を用いたデモや実習やモデルケースを用いた演習が中心となっており、セキュリティエンジニアや情報システム担当として、実務に直結するスキルを身につけることを重視している。
2017年度は、2016年度まで6種類あった資格から「不正アクセス監視実践資格」が「ネットワークセキュリティ実践資格」と「サーバーセキュリティ実践資格」に統合され、合計5種類になる。統合内容は次のとおり。
- 統合前(6資格)
- ネットワークセキュリティ基礎
- ネットワークセキュリティ実践
- サーバセキュリティ実践
- 不正アクセス監視実践(2017年度より他資格へ統合)
- セキュリティポリシー実践
- セキュリティ監査実践
- 統合後(5資格)
- ネットワークセキュリティ基礎
- ネットワークセキュリティ実践(不正アクセス監視実践を統合)
- サーバセキュリティ実践(不正アクセス監視実践を統合)
- セキュリティポリシー実践
- セキュリティ監査実践
統合後の資格体系は、すべての資格の基礎となる、総合スキル/基礎レベルの「ネットワークセキュリティ基礎」資格をはじめ、上位資格に技術系の総合スキル/実践レベル「ネットワークセキュリティ実践」、専門スキル/実践レベルの「サーバーセキュリティ実践」がある。また、管理系の資格としては上位資格として、総合スキルと専門スキルを併せ持った実践レベルの「セキュリティポリシー実践」「セキュリティ監査実践」の2種類が用意されている。
それぞれの資格を習得するには、資格ごとに2〜3日の講習会を受講し、最終日の認定試験に合格する必要がある。資格の有効期限は2年(翌々年度の3月末日まで)。
2017年度の講習会予定と受講料は次のとおり。
資格名 | 期間 | 日程 | 受講料(税込み) |
---|---|---|---|
ネットワークセキュリティ基礎 | 2日間 | 2017年9月21日〜9月22日 | 6万4800円 |
ネットワークセキュリティ実践 | 3日間 | 2017年9月26日〜9月28日 | 16万2000円 |
サーバーセキュリティ実践 | 3日間 | 2017年10月24日〜10月26日 | 17万2800円 |
セキュリティポリシー実践 | 2日間 | 2017年10月5日〜10月6日 | 7万5600円 |
セキュリティ監査実践 | 2日間 | 2017年11月15日〜11月16日 | 7万5600円 |
実施会場はすべて東京・新橋の「Learning Square 新橋」。申し込み期間や申し込み方法などの詳細は、後日Webサイトにて発表される予定だ。
それぞれの資格を維持し更新するには、資格の失効までに更新試験を受験する必要がある。更新には「共有科目」と資格ごとに用意される「実践レベル科目」の2つの試験に合格しなくてはならない。ただし、ネットワークセキュリティ基礎を資格更新する際のみ、共有科目もしくは、ネットワークセキュリティ実践の実践レベル科目に合格すると、資格の更新が可能だ。
更新試験の受験料は、共有科目が1万2960円(税込み)で、実践レベル科目の1試験ごとに2700円(税込み)がかかる。
また、不正アクセス監視実践を資格更新するには、共有科目に加え、ネットワークセキュリティ実践とサーバーセキュリティ実践の両実践科目を受験し合格する必要がある。どちらの実践科目のみ受験し、更新することはできないので注意が必要だ。2年後に次の更新時期を迎えたときには、ネットワークセキュリティ実践だけ、あるいはサーバーセキュリティ実践だけ資格更新することが可能だ。
なお、2017年度と2018年度に限り、不正アクセス監視実践の資格を更新するための実践科目の受験料は免除される。