エイチ・アイ・エス(以下、HIS)は、2024年春より賃上げ、ならびに2025年新卒初任給を引き上げると発表した。同社が賃上げを実施するのは、コロナ禍を経て5年ぶりとなる。
HISは正社員・契約社員を対象に、定期昇給とベースアップを合わせて平均賃上げ率4.3%の給与改定を実施する。新型コロナウイルス感染症の5類引き下げによる旅行需要の回復を受け、同社の業績も大きく上向いてきており、近年の物価上昇への対応と中長期的な人材確保を目指して賃上げを決定したという。
- 対象者:正社員・契約社員(2024年4月時点)
- 実施日:2024年5月1日
また、正社員・契約社員のベースアップと合わせて、2025年新卒社員の初任給を改定した。地域手当を含めると、首都圏の1都3県では大卒以上は23万5000円となる。
現行 | 2025年4月1日から | 引き上げ率 | |
---|---|---|---|
大学・大学院卒 | 22万円 | 23万5000円 | 6.8% |
短大・専門卒 | 19万4000円 | 20万9000円 | 7.7% |
上記の金額は首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉居住)の場合。他の地域は一律1万5000円の引き上げとなる。実施日は2025年4月1日。
なお、2025年の新卒採用予定人数は前年比6割増の約530名を計画しているという。
同時に、同社は定年後再雇用制度を改定し、多様な働き方の先行事例として、60歳以上の選択的週休3日制を2024年5月より導入すると発表。
人生100年時代といわれる中、60歳以降の働き方の選択肢を増やし、1人ひとりが自分の人生プランに即した働き方を選択することで、定年後のライフキャリアの充実を支援していくと同社は述べている。
- 対象者:60歳以上の嘱託社員
- 実施日:2024年5月1日
【関連記事】
・最大18%の賃上げを発表 従業員の待遇向上と人材投資の強化を目的として—串カツ田中ホールディングス
・大企業で76%、中・小企業では64%が賃上げ 施策は「人事制度の改定」が最多—doda調べ
・新卒の初任給を一律2万円引き上げ 2025年4月から—レオパレス21