パーソルキャリアは、同社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」にて、20~60歳代のビジネスパーソン500名と企業の人事担当者500名を対象に「賃上げ」をテーマに調査を行った。
大企業で76.1%、中・小企業でも64.1%が賃上げを実施
企業に対し、2022年年末以降の賃上げ実施状況を尋ねたところ、全体で67.8%が実施(予定含む)と回答した。企業規模ごとの内訳は、1000名以上の大企業で76.1%、10~999名の中・小企業でも、64.1%が賃上げを実施または予定していることが分かる。
また、業種ごとに結果を確認すると、賃上げに踏み切った企業が多かったのは「メーカー」(80.6%)が最多で、「金融」(75.2%)「IT・通信」(74.1%)と続いた。
賃上げのために企業が実施した対策は「人事制度改定」が最多
実際に賃上げを決定した企業は、どのような工夫をによって賃上げを実施したのだろうか。最も多く回答が集まった対策は「人事制度の改定」(38.9%)となった。賃上げ目的で大きなボリュームを占める「人材への投資傾向(定着率向上、新規獲得)」を裏付けるように、ジョブ型雇用への移行を含め、必要な人材の確保へ重きを置いている傾向がうかがえると同社は述べている。
実績の上昇率は「2.1%~5%」が最多
個人に対し、賃上げの実績と希望する上昇率を調査したところ、実績で最も割合が多かった上昇率は「2.1%~5%」(21.8%)となり、「基本給・時給単価」で給与に反映されていることが分かった。
次に、どのくらいの上昇率を希望するかを尋ねると、上がり幅は実績と同じ「2.1%~5%」であったが、回答割合は実績を上回る33.0%となった。次に希望する割合が高かった上昇率は「5.1%~10%」で、回答割合は31.6%となっている。「5.1%~10%」の実績割合は3.6%にとどまっており、希望回答と比較すると10倍以上の乖離がみられた。
また、希望する賃上げが叶わない場合、転職を検討するかと尋ねたところ、検討すると答えた割合は4割弱(36.0%)となった。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 個人向け調査
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- 対象者:全国に住む、転職を検討しているまたは興味がある20~60歳代男女の人事担当者を除く会社員(正社員・契約社員)
- 集計対象数:500名
- 調査手法:インターネット調査
- 調査期間:2023年6月26日~6月29日
- 集計方法:労働力調査2022年の構成比に合わせて割付回収を実施
- 企業向け調査
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- 対象者:全国に住む、企業の人事担当者
- 集計対象数:500名
- 調査手法:インターネット調査
- 調査期間:2023年6月26日~6月29日
- 集計方法:労働力調査2022年の構成比に合わせて割付回収、全体構成比により近づけるためウェイトバック集計を実施
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