パーソルホールディングスは、2024年3月期のグループ内の女性管理職比率は25.6%と、前年比1.2ポイント増で過去最高となったことを発表した。
同社は、昨年度から男性育休に関する目標「2025年まで1日以上取得率100%を目指し、今後1ヵ月以上の取得が進んでいくよう環境整備を推進する」を掲げている。2024年3月期のグループ内で1日以上の男性育休取得率は73.0%と、前年比8.2ポイント増加し過去最高となった。なお、1ヵ月以上の男性育休取得率は36.2%、取得者の平均取得日数は61.2日だという。
パーソルグループは、2030年までに女性管理職比率37%、2025年までに1日以上男性育休取得率100%を目指し、経営の直轄組織であるジェンダーダイバーシティ委員会をはじめ、さまざまな取り組みを推進していくと述べている。
同社の多様な人材確約に向けた主な取り組みは次のとおり。
DE&Iの推進にあたり、社員の属性、価値観、能力といった多様性を活かすため、「トップコミットメント」「制度・環境整備」「企業文化・風土の醸成」に取り組んでいる。
トップコミットメント
重要指標の設定、モニタリング(女性管理職比率に加え、候補者層の男女比や内部登用率、外部採用率など8項目)、役員賞与ならびにSTI評価指標への設定、ジェンダーダイバーシティ委員会の設置などを実施している。2023年度は新たにジェンダーダイバーシティレポートを発刊。ジェンダーダイバーシティに関する定量情報(目標や実績など)、定性情報(トップメッセージやプロジェクト詳細など)を、グループ社員全員にオープンに開示し、経営の強力なコミットメントを伝える目的で制作した。
制度・環境整備
社員1人ひとりが時間や場所にとらわれず、自律的に働ける環境整備とキャリア形成支援を推進している。グループ共通の取り組みとしては、リモートワークの推進、フレックスタイム制度、ドレスコードの原則自由化、キャリアオーナーシップを育むためのグループ間異動・職種体験制度、複業制度などが挙げられる。
また、2023年度は、新たに「キャリアスカウト制度」を開始。グループ内の他部署から直接スカウトを受け、異動できる制度で、国内社員の約2.5万人を対象に運用を開始した。566名のプロフィール登録があり、すでに64名のグループ間異動が決定したという。
また、男性育休取得の理解促進ならびに懸念払拭を目的としたコミックコンテンツをグループ全社に発信するなど、社内イベントの実施やイントラネットでの情報発信を含めた制度啓発活動が、男性育休取得率向上につながったと述べている。
企業文化、風土の醸成
イベント・セミナーの開催や、意識啓発やスキル習得のための研修を実施している。国内グループ全社員向けの研修としては、多様性を理解、受容していくうえで必要な考え方や知識、アンコンシャスバイアスなどを学ぶe-ラーニングを用意。2023年度は、約3万名が受講し、2019年度の開始から5年間で累計約12万名が受講した。
管理職向けには、2種類だった研修に加えて、2023年度から新たに「心理的安全性を学ぶDEI研修」を開始。3種類の管理職向けの研修をのべ1629名が受講し、多様な人材マネジメント手法への理解を深めたという。
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