エン・ジャパンは、同社が運営する「エン転職」のユーザーを対象に「管理職への意向」についてアンケートを実施した。
管理職になることに、半数が「興味がない」
管理職の経験有無について聞いたところ、27%が「ある」と回答。男女別では、女性よりも男性のほうが29ポイント高く、男性のほうが管理職経験者が多いことが分かった。
続いて、現在管理職ではない人に、管理職になることに興味はあるかと聞いたところ、41%が「ある」、50%が「ない」と回答した。男女別で見ると、管理職に興味がある人は男性51%、女性33%と、18ポイントの差になり、女性のほうが消極的であることが分かった。
さらに、現在管理職ではないが、管理職になることに興味がある人に対し、どのクラスまで目指したいか聞いたところ、「事業部長・部長クラス」が33%で最多となった。
管理職になりたい理由は「給与を上げたいから」が最多
管理職に興味がある人に、管理職になりたい理由を聞いたところ、「給与を上げたいから」が63%と最も多く、次いで「自分を成長させたいから」が57%、「仕事の幅を広げたいから」が44%と続いた。
また、自由記述のコメントでは次の回答が寄せられた。
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「給与を上げたいから」と回答した人
- 生活が苦しい(30代女性)
- 今の給料では、家族に好きな物を食べさせたり、やりたいこと事を自由にさせたりしてあげられない(30代男性)
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「自分を成長させたいから」と回答した人
- プライベートより仕事の時間が長いので、知識や視野を広げ、人として成長し続けたい(30代女性)
- 管理職を経験し、人に教え、動かし、まとめることの難しさを痛感した。ただ、やりがいは大きく学びも多かったため、よりスケールの大きい管理職になりたい(40代男性)
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「仕事の幅を広げたいから」と回答した人
- 自身の思いや意向を反映して仕事をした際に、やりがいを感じた(20代女性)
- 現場の人間が、もっとスムーズに業務を遂行できる環境づくりを行ないたい(40代男性)
管理職になりたくない理由、半数以上が「向いてないと思うから」
管理職になることに興味がないと回答した人に、管理職になりたくない理由を聞いたところ、「管理職に向いていないと思うから」が52%で最も多い結果に。また、男女別で10ポイント以上の差がついた回答は、「管理職に向いていないと思うから」(男性:44%、女性:56%)、「責任の重い仕事はしたくない」(男性:23%、女性:33%)、「専門の仕事に従事したいから」(男性:19%、女性:9%)となった。
なお、自由記述のコメントでは次のような声が寄せられた。
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「管理職に向いていないと思うから」と回答した人
- 人をまとめる力が必要だと思うが、自分にはそれが向いてないと思った(30代男性)
- 自分には、部下を育てられる程の経験・知識・器がない。また、コミュニケーション能力が低いので、管理職には向いていないと思う(30代女性)
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「仕事量や仕事時間が増えるから」と回答した人
- 残業代も休日手当もつかず、休みでも対応する姿を見てきているので、よい印象がない(20代男性)
- 仕事量が増えて管理職並みに勤務したことがあるが、時間外手当や役職手当がつかず不満があった(30代女性)
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「責任の重い仕事はしたくないから」と回答した人
- 管理職についた先輩が、仕事の多さや大変さで体調を崩している姿を見たことがある(20代女性)
- 責任のある仕事にプレッシャーを感じ、精神的に疲れてしまう(30代女性)
管理職になって良かったことは「自身の成長」
現在管理職の人に、今後どのクラスまで目指したいか聞いたところ、どの年代も「次長・課長クラス」が最多となった。
また、管理職になって良かったことを聞いたところ、「自身の成長につながった」が53%と最も多く、次いで「自分の裁量で決められることが増えた」「部下・メンバーの成長など新しいやりがいに繋がった」が同率45%と続いた。なお、「自分の裁量で決められることが増えた」は、20代が28%、30代が40%、40代が47%と年代別で差が出る結果となった。
管理職になって良かったことについて、自由記述のコメントでは次の回答があった。
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「自身の成長につながった」と回答した人
- 後輩への指導や教育は、自身の成長へとつながる機会となった(30代女性)
- より上のレイヤーの人と仕事をすることで、自分の成長が実感できて楽しい(30代男性)
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「自分の裁量で決められることが増えた」と回答した人
- イベント内容などを自分で考えて決定できる点が良かった(30代女性)
- 高度な判断が求められるような場面において、自分の裁量で采配を行えること(40代男性)
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「部下・メンバーの成長など新しいやりがいにつながった」と回答した人
- 部下がいたことで責任感が強くなり、やりがいを感じられた(30代女性)
- 言いたくないことも言葉を選んで伝えなければいけないことが多々あったが、部下が私の意見を理解し同じ方向を向けたときに、お互いの成長を感じた(40代男性)
続いて、管理職の経験がある人に対し、管理職になって大変だったことを聞いたところ、「責任が重くなった」が50%と最多となり、次いで「上司と部下の間で板挟みになるようになった」が47%、「仕事量・残業が増えた」が42%と続いた。なお、男女別では、「仕事量・残業が増えた」で11ポイントの差が見られた。
また、自由記述のコメントでは次の回答が寄せられた。
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「責任が重くなった」と回答した人
- 全て自分自身の動き次第のため、責任を問われる(20代男性)
- 全ての責任を負う立場にいたため、何も無くても気が休まらなかった(40代女性)
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「上司と部下の間で板挟みになるようになった」と回答した人
- 管理職とはいえ裁量権はあまりなく、常に部下の不満と板挟みだった(30代女性)
- 上司と、部下で見ている視点が違うので、板挟みになることが多々あった(40代男性)
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「仕事量・残業が増えた」と回答した人
- 自身の裁量で決められないことを確認するのに時間がかかり、夜中に帰ることが増えた(20代女性)
- 当然のことながら、自分の仕事にプラスして管理職の業務が増えた(40代女性)
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:インターネットによるアンケート
- 調査対象:エン転職を利用するユーザー
- 調査期間:4月25日~5月28日
- 有効回答数:4789名
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