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本当に活かせる! 採用活動の振り返り | 第3回

採用の振り返り手順とまず着手したい振り返り 仮説・検証型も組み合わせよう

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 前回は、採用活動の振り返りの時間軸や、近年重要になっている振り返りの在り方について説明しました。今回は、初めて採用の振り返りを任された方や、現在の振り返りを見直したいと考えている担当者に向けて、オーソドックスな振り返り手順や、「まず着手したい振り返り」として適性検査の活用や内定承諾者・辞退者調査などの手法を紹介します。

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採用活動(課題発見型)の振り返り手順

 まずは、採用活動の現状把握・課題発見につながるオーソドックスな採用活動(課題発見型)の振り返りステップと、各ステップでのポイントを説明していきます。

①活動の狙いと目標の明確化

 振り返り最初のステップは、採用活動の目的や達成したい目標を明確にすることです。採用の成功基準(例:内定承諾率、応募者全体の求める人材との合致度、選考の効率性)を事前に設定し、それに基づいて評価できるように準備します。

 目標が曖昧だったり、妥当性や根拠が薄かったりすると、採用活動の成果や課題を正確に評価できません。また、明確な目標がないと、改善点や成功要因を見逃してしまうことがあります。

②情報収集

 次に、採用活動中に取得したデータを集め、振り返りに役立てるための準備をします。主には、採用活動の歩留まりの情報や、「まず着手したい振り返り」で後述する適性検査の情報、学生へのインタビュー・アンケート、選考プロセスごとの進捗データなどがあります。

 収集した情報が不十分だったり、データの収集方法が適切でなかったりすると、客観的に評価できなかったり、信頼性の低い情報しか得られなかったりします。採用活動が終了してから事後的に情報を集めるのではなく、活動の狙いや目標に照らし合わせて、何の情報から検証できるかを活動の各プロセスで明らかにし、準備しておくことが重要です。

③分析と課題の特定

 次に、収集したデータから、採用活動の成果と課題を明確にし、成功要因と課題要因を特定します。

 情報を収集する際には、選考参加人数・内定承諾率などの定量的な情報のみならず、選考に参加した学生の特徴や、内定承諾者が入社を決めている理由などの定性的な情報も集めることで、次の分析の解像度を上げることができます

 さらに、収集した情報は、全体の集約結果で見るのではなく、属性(例:専攻)ごとに分けると理解しやすくなります。このときにありがちな失敗としては、学校群や出身地などの情報のみに偏り、その他の重要な属性を見落とすことです。これは、①の活動の狙いに対して適切な属性設定かどうかを点検することや、採用活動の成果・再現性を高めるという目的に照らして、活躍可能性が高いと判断した・合格を出したかを点検することで回避できます。

④打ち手の検討と計画への反映

 最後に、特定した課題に対する具体的な対策や改善策を検討し、次の採用活動に反映させる計画を立てます。その際には、採用担当や会社のリソース面から点検し、実行可能なものになるようにします

 ただし、課題に対する打ち手が複数出る中で、どの方法を選択するかを決め切れず、そもそも課題に対応できなくなるケースも多くあります。検討を重ねても難しい場合は、検証を採用活動中や活動終了後に行うことにして、比較的着手しやすい案を実行したり、一部の採用コース(職種や募集時期)で行うなどスモールスタートで始めたりするようにします。

 このように、打ち手は正解がない中で判断をしなければなりません。何の情報から検証できるかをあらかじめ準備しておくことが重要です。

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この記事の著者

上田 彩乃(ウエダ アヤノ)

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ コンサルティング部 スタッフ。出版社にて編集として勤務後、2018年リクルートキャリアに入社(後にリクルートマネジメントソリューションズに転籍)。大手企業の採用課題に関するアセスメントやコンサルティング、トレーニングの提供に携わり、2024年4月より現...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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