4. 訴訟になる前に取っておくべきだった対応(予防策)
(1)社員への丁寧な対応が必要であった
今回、Xは、平成18年4月1日に労働契約を締結してから、同29年4月1日に本件労働契約を締結するまでの間、通算11回、労働契約を更新していました。
このように、長期間にわたり継続勤務していたXに対して、Xの勤務態度や健康状態に問題がなかったにもかかわらず、無期転換制度が始まるといった理由のみで一方的に雇止めをしたことは、Xの自尊心を傷つける対応でした。
XのY社への長期間にわたる勤務に感謝を示し、Xに対して適切に配慮していれば、訴訟の提起には至らなかったと思われます。
(2)労働条件の明示(令和6年4月1日改正)について
労働基準法の施行規則、告示が次のとおり改正されました。今回の雇止めおよび無期転換に関する内容が含まれています。