マイナビは、2024年4月新卒入社の社会人を対象に実施した、「マイナビ 2024年卒 入社半年後調査」」の結果を発表した。
24卒の18.6%は入社後に勤務先の満足度が上昇
就活時の入社予定先企業の総合満足度と、入社半年後(10月調査時点)の勤務先の総合満足度を、それぞれ5段階で聞いた。就活時の入社予定先満足度が高い(満足度4・5)割合は89.6%と、前年より4.7ポイント減少。一方で、入社半年後の勤務先満足度が高い割合は84.0%と、前年より4.9ポイント増加している。入社後の満足度変化に着目すると、23卒(入社後15.1ポイント減)より、24卒(入社後5.6ポイント減)のほうが入社後の満足度の減少幅が少なかった。
また、入社前後で満足度が下降した割合は前年同値(40.1%)となったが、上昇した割合は18.6%(前年比9.8ポイント増)と、23卒よりも入社後に満足度が上昇した人が多かった。
一般的に入社直後はリアリティショックを感じやすいとされているが、24卒は23卒と比較してインターンシップ・仕事体験などの参加率も増加し、入社前の企業理解の機会の充実によって、リアリティショックが入社前に起こるケースもあるという。それにより就活時の満足度は低下するが、入社後のギャップが縮小すると推察されると同社は述べる。
24卒の2人に1人が勤務先のインターンシップ・仕事体験に参加
現在の勤務先のインターンシップ・仕事体験に参加した割合は49.3%となり、調査を開始した20卒以来、おおよそ右肩上がりで増加している。
インターンシップ・仕事体験の参加有無別に総合満足度を見ると、参加経験者の81.4%が勤務先の満足度が4もしくは5だったのに対し、不参加者は77.2%と、4.2ポイントの差があった。
さらに、インターンシップ・仕事体験の参加日数に注目すると、1日よりも2日以上の参加者のほうが満足度4もしくは5を選択した割合が多い。
総合満足度別に参加した内容について見ると、「グループワーク(企画立案、課題解決、プレゼンなど)」はいずれにおいても割合が高かった。満足度5と3以下で最も差があったのは「実際の仕事のシミュレーション体験」の参加有無で、その差は23.9ポイントとなった。インターンシップ・仕事体験に複数日程で参加したり、実際の業務に近いプログラムを経験したりすることで、企業理解が深まり、その後の勤務先満足度にも影響していると考えられるという。
新入社員の転職意向は過半数となるも、前年より減少
今後の転職意向について聞くと、転職意向がある割合は54.2%で、23卒の57.2%から3.0ポイント減少した。
「仕事に疲れた、つらい」と感じることがあるかを聞くと、全体で70.2%が「感じる(常に+時々)」と回答した。これを転職意向の有無で比較すると、転職意向なしのグループでは57.2%なのに対し、転職意向ありのグループでは81.1%と、23.9ポイントの差があった。
また、仕事に疲れを感じる理由を聞くと、「仕事量が多い」が41.1%で最多となった。転職意向の有無で最も差が開いたのは「働く時間が長い」で、転職意向なしのグループでは18.0%であるのに対し、転職意向ありのグループでは35.7%と17.7ポイント差となり、長時間の勤務は仕事疲れや、転職意向につながる可能性が示唆されるという。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査概要:「マイナビ 2024年卒 入社半年後調査」
- 調査期間:2024年10月25~31日
- 調査方法:Web上のアンケートフォームより入力
- 調査対象:2024年卒業予定として就職活動を行い、その状況をモニター調査で回答した人を対象とした追跡調査
- 調査機関:同社調べ
- 有効回答数:398名(文系男子73名、文系女子109名、理系男子104名、理系女子112名)
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