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HRzine Day 2025 Winter セッションレポート | #7(AD)

採用市場が劇変するいま、企業の「B面」の発信が鍵! 応募数・内定承諾率が増加したnoteの事例

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 求人広告を出しても、欲しい人材と出会えない。良い人材がいても入社してもらえない──。採用市場の変化により、従来の手法がますます通用しなくなっているいま、企業はどう対応すべきか。2月6日開催の「HRzine Day 2025 Winter」で登壇したnoteプロデューサー 徳力基彦氏は、給与や福利厚生といった基本情報(A面)から1歩踏み込み、企業文化や働く人の価値観といった「B面情報」の発信強化を提唱する。本稿では、応募数増加と内定承諾率向上を両立させた企業の事例を交えながら、これからの採用ブランディングの具体的な方法論を解説する。

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採用活動は「点」から「面」の時代に。情報発信のポイントとは

 採用市場の劇的な変化に、企業の対応が追いついていない──。

 noteプロデューサーの徳力氏は、現在の採用市場についてこう警鐘を鳴らす。かねて人口減少と高齢化により人手不足が予測されていた日本の労働市場だが、ここ2年で状況は一気に加速。「買い手市場から売り手市場へ」という構造的な転換が起きているのだ。

 「私自身、就職氷河期世代なので『まず募集をして面接をすればよい』とつい考えてしまうのですが、今はそれだけでは通用しません。人事部門からは『採用媒体やエージェントを活用しても母集団形成ができない』『知名度はあるのに応募者とのミスマッチが発生する』といった悩みが多く寄せられています。さらに、入社後の短期離職や内定辞退も増加しており、採用活動の考え方を180度変えないといけない状態になっています」(徳力氏)

 この変化に対応するため、徳力氏が提唱するのが「点」から「線・面」への転換だ。

 従来の採用活動は、人手が必要になった時点で募集をかけ、広告を出す。もしくはエージェントに募集を出してそこに応募してきた人を面接で選考するという「点」の採用活動で成り立っていた。しかし今後は、求職者が情報収集をしようと思ったときに、いつでも見られるよう「線」「面」による情報発信が重要になるという。

 徳力氏は、情報発信において2つのポイントを挙げた。

 1つ目は、求職者が「転職しよう」と思う前から、「あの会社って面白いな」と思ってもらえる人を増やすための情報発信。2つ目は、転職活動中の求職者がさまざまな情報を検索する際に、正しい情報にたどり着けるような発信だ。

 企業からの公式な情報発信がないと、求職者は口コミ掲示板の情報など信頼性の低い情報を信じてしまい、内定辞退につながってしまうという。

会社の「B面」が分からないと、Z世代は面接に来てくれない

 特に重要なのが、Z世代の求職者の動向だ。No Companyの調査によると、SNSでの情報により約6割が選考や入社への意向度が上がったという。

 さらに、Z世代が求める情報は従来型の給与・福利厚生といった基本情報ではなく、「1日の仕事の流れ」「社内の人間関係・職場の雰囲気」といった会社の実態に関する情報が上位を占める。

 「私たちは、企業のカルチャー、働く人の価値観、具体的なストーリー、会社の空気感、実際の働き方や休み方などの情報を『B面情報』と呼んでいます。これまでこうした情報は、面接時に伝えていましたが、今はインターネット上でB面情報が見つけられないとZ世代は面接にすら来てくれない状況なのです」(徳力氏)

 売り手市場への転換とZ世代の台頭により、企業には従来の「A面情報」(企業の基本情報)に加え、働くイメージを具体的に伝える「B面情報」の戦略的な発信が不可欠となっている。求職者が就職・転職活動を始める前から、自社を「働きたい会社」として認識してもらい、活動中も適切な情報提供で不安を解消する。この一貫した採用ブランディングの実践が、いま企業に求められている。

 採用ブランディングは必要だと分かっていても、具体的にどう取り組めばよいのだろうか。徳力氏は、実践的な2つのアプローチを提示した。

転職活動前から「この会社よいな」と思ってもらえた事例

 1つは、転職活動前の潜在候補者への認知向上。もう1つは転職活動中の候補者の内定承諾率向上だ。特に前者は、多くの人事担当者が目指す「応募数の増加」に直結するものの、実現の難度は高いとされる。

 では、実際にどのような情報発信が効果を上げているのか。まずは、より難度の高い「転職活動前からの認知向上」に成功した事例から見ていこう。

NECネッツエスアイの事例—B面の発信で採用エントリー数が1.6倍増

 連結社員数7500人を抱えるSIer企業、NECネッツエスアイは、採用市場での差別化に課題を抱えていた。同社の採用担当者によると、「SI事業者の採用パンフレットは、社名を隠すと皆同じ会社に見えてしまう」という問題があったという。

 「SIerの多くは自社商品がないため、どうしても『お客様のニーズに合わせた最適なシステムを構築します』といった似たようなキャッチフレーズになってしまいます。企業文化は異なるのに、その違いが伝わらず採用時に選んでもらいにくい状況でした」(徳力氏)

 この課題に対し、同社は社員の生の声を中心とした「B面情報」の発信を開始。

 たとえば「kintoneでアプリをつくり、課題解決をどんどん進めているウワサの調達本部を取材してみた!」といった記事で、ふだんは表に出ない部署の業務内容や社員の様子を紹介。その結果、採用エントリー数が1.6倍に増加し、社内の風通しの良さを示すスコアも向上したという。

ベーシックの事例—カルチャー発信などで直接応募が約3倍増

 続いて、マーケティング業界で知名度の高いオウンドメディアを運営するベーシックも独自の課題を抱えていた。サービスの知名度は高いものの、運営企業としての認知度には伸びしろがあり、採用に苦戦していたのだ。

 そんな同社も、「B面情報」の発信に活路を見いだす。先輩社員の入社の決め手や志望動機、会社のカルチャーといった情報を積極的に発信することで、採用サイトからの直接応募は約3倍に増加。さらに内定承諾率も90%という高水準を達成した。

 「両社に共通しているのは、求職者が求める『B面情報』をインターネット上に着実にストックしていった結果です。最初から『記事をバズらせよう』とするとハードルが高くなるもの。大切なのは、求職者が知りたい情報についていつでもアクセスできる状態をつくることです。そうすることで『この会社、よいかもしれない』と選択肢に入れてもらえる可能性が高まるのです」(徳力氏)

GMOインターネットの事例—「本音」が分かるコンテンツで面接時間の効率化に成功

 一方、GMOインターネットは、求職者の不安を解消し、内定承諾率を高めるために「面接前の情報提供」に力を入れている。従来の企業説明では伝えきれなかった「働く環境のリアル」を可視化し、求職者がスムーズに意思決定できるようにしたのだ。その施策の1つが、面接前に読んでもらいたい情報をあらかじめ記事にしておくという方法である。

 たとえば、「育休を取得したパパ2人が語る!家族との時間を大切にする働き方とは?」という記事では、育休取得者同士の対談を通じて、制度の実態や職場の雰囲気を伝えている。

 「従来の育休制度のアピールは、福利厚生欄に『育休制度あり』と記載するだけでした。しかし、大事なのは『本当に育休は取れるのか』という点です。

 実際に育休を取得して会社で浮いたりしないのか、復帰したときに苦労したりしないのか。ちゃんと復帰して仕事をまたバリバリできるのか。多くの方がこういった不安を抱えているはずです。GMOインターネットさんの記事では、実際に育休を取得した社員が復帰後も生き生きと働いている様子を可視化することで、これらの不安に応えているのです」(徳力氏)

 GMOインターネットでは、このような社員の実体験を伝える記事に加え、入社式での代表メッセージを記事化するなど、これまでクローズドだった社内イベントの情報も積極的に発信している。「入社式でのメッセージは、その年に入社した社員向けのものですが、これから入社を考える人にとっても重要な情報になるはず」と徳力氏は説明する。

 そして、特筆すべきは同社の記事は「本音」の部分も含めて発信している点だ。

 「記事に課題や悩みなど本音も混じっていることで、かえって信ぴょう性が増すのです。むしろ、良いことばかり書かれた情報よりも、求職者には響くのではないでしょうか」(徳力氏)

 こうした取り組みの結果、同社の採用関連記事は内定承諾者の認知率100%を達成。さらに、これらの記事を面接前に候補者に送ることで、面接時間の効率化にもつながっているという。

 これら3社の事例が示すのは、採用ブランディングには段階的なアプローチが効果的だということだ。まずは面接で伝えている情報を記事化し、その積み重ねによって、やがて転職活動前の人たちの目にも触れ、企業の認知度向上や応募増加、そして内定承諾率の向上につながっていく。採用ブランディングの成功は、こうした着実な実践にかかっているのだ。

オンライン上での情報不足はリスク大。継続的な情報発信を

 しかし、こうした情報発信について、多くの企業が「始め方が分からない」「継続が難しい」「情報が届かない」という3つの壁に直面している。この課題に対し、採用オウンドメディアやメディアプラットフォームの活用が1つの解決策として注目されている。

 「採用広報では、情報の継続的な発信と適切な届け方が重要です。しかし、特に自前でサイトを構築した場合、どこにもつながりがないため情報が埋もれてしまいがち。求職者が情報収集する際、自社サイトにたどり着くきっかけがないのです」(徳力氏)

 こうした課題を解決するには、大規模なユーザー基盤を持つプラットフォームの活用が有効だ。たとえば、国内ブログサービスの中でWebアクセス数トップを誇るメディアプラットフォーム『note』は、月間ユーザー5000万、会員登録者数890万を超える規模に成長[1]。法人アカウントも3万件を超え、採用広報の手段として定着しつつある。

 なかでも、同社の法人向け高機能プラン「note pro(ノートプロ)」では、「はじめる」「つづける」「届ける」という3つの課題に対応。コンセプト設計のサポートやAIによる執筆支援など、企業の情報発信を総合的に支援する仕組みを整備している。

 また、採用に特化した機能も充実。採用管理システムとの連携による求人情報の一覧表示に加え、カテゴリー別の記事整理により、求職者は興味のある情報に簡単にアクセスできる。こうした仕組みや支援が備わるnote proは、カルビーやキリンといった大企業から、スタートアップ企業、さらには東京都のような自治体まで、幅広い組織で活用されているという。

note pro利用企業の一例(2025年3月時点)
note pro利用企業の一例(2025年3月時点)
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 最後に徳力氏は、採用ブランディングの本質を次のように語った。

 「採用ブランディングは派手なプロモーションではありません。求職者それぞれが求める情報が異なるため、地道な情報の積み重ねが重要になります。部署による違い、働き方の違い、そういった多様なニーズに応えるにはきめ細かな情報発信が必要です」(徳力氏)

 SNS時代において、企業のオンライン上での不在は求職者との接点を失うだけでなく、非公式な情報に頼らざるを得ない状況を生む。そのリスクを回避するためにも、企業は継続的な情報発信が不可欠だ。

 企業が適切なプラットフォームを選択し、地道な情報発信を続けることで求職者との関係構築が可能になる。そしてそれは、応募数の増加と内定承諾率の向上といった具体的な成果につながっていくのだ。

[1]: 2024年11月末時点。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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