PRIZMAは、新卒採用を強化している企業の採用担当者を対象に、「「2025年版|企業規模別」新卒採用の現状と傾向に関する調査」を実施した。
企業が求める人材像は大きく変化
直近3年間で、採用基準について変化はあったか質問したところ、「即戦力としてのポテンシャルを重視するようになった」が46.4%で最も多く、次いで「デジタルスキルを重視するようになった」が40.6%、「多様性・ダイバーシティへの配慮をするようになった」が33.0%、「柔軟性・適応力を重視するようになった」が25.9%と続いた。即戦力としてのポテンシャルを重視する傾向は、インターンシップの普及や即戦力採用のトレンドが影響していると考えられるという。
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大手企業と中小企業で採用活動開始時期に差異
採用活動の早期化が進む中、2025年2月時点ですでに採用を動かしている卒年度はあるか質問すると、従業員数50人以下の企業では「~26卒まで」が68.4%で最多となり、51~100人の企業では「~26卒まで」が56.0%、101~500人の企業では「~26卒まで」が61.0%、501人以上の企業では「~26卒まで」が67.2%と続いた。企業規模が大きくなるほど、採用開始時期が早まる傾向があると分かる。
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26卒の採用活動が行われている中、27卒の採用はいつから開始するのか聞いたところ、「2025年春」が34.5%で最も多く、次いで「2025年春より以前」が29.5%、「2025年夏」が22.6%と続いた。新卒採用の早期化が進んでおり、多くの企業が大学2年生の段階で、すでに採用活動を開始していることが分かった。
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採用単価は上昇傾向
採用単価について直近3年で変化はあるか質問したところ、「上がっている」が53.3%と過半数を占めた。一方で、「下がっている」は23.8%、「特に変化はない」は23.0%となった。採用単価の上昇は、新卒採用市場における競争の激化や、オンライン採用の普及に伴う広告・イベント費の増加が影響していると考えられるという。全体として採用単価は上昇傾向にあるものの、企業ごとの戦略や採用手法の違いにより、コストの増減にばらつきがあることが分かった。
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また、採用単価の相場について聞いたところ、企業規模が大きくなるほど採用単価が高くなる傾向が見られた。従業員数50人以下の企業では「〜50万円」が61.1%で最多である一方、501人以上の企業では「〜100万円」が51.2%で最も多く、「100万円以上」の割合も増加している。大手企業ほど採用広報やエージェント利用、選考プロセスの多様化などにコストをかけていることが要因だと考えられるという。
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賃上げの影響による初任給の変化
賃上げの影響により、初任給の金額に変化はあったか質問すると、企業規模を問わず「初任給が上がった」が多数を占めた。特に、従業員数501人以上の企業では68.7%、101〜500人の企業では67.1%と、規模が大きい企業ほど初任給の引き上げが進んでいる傾向が見られる。一方で、「下がった」と回答した企業も一定数存在し、特に中小企業(50人以下、51〜100人)では、コスト負担の影響を受けやすいと考えられるとのことだ。
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また、新卒採用について、年々採用が難しくなったと感じるか聞くと、64.4%の企業が「採用が難しくなった」と回答し、新卒採用の難易度が年々上昇していることが明らかになった。一方で、「採用しやすくなった」が20.7%、「特に変化はない」が14.9%と回答する企業も一定数存在した。
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さらに、前問について、その他にも難易度が上昇した理由はあるか聞いたところ、「少子化による母集団の減少」が29.8%と最も多く挙げられた。次いで、「学生の大企業志向・有名企業への集中」が26.8%、「学生の価値観・働き方の多様化」が24.7%と続いた。
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