LOOVは、企業の人事業務従事者を対象に、「人事業務における“伝える”業務の実態」に関する調査を実施した。
人事業務の「伝える」負担、8割以上が実感
説明や情報提供にかける時間・手間はどの程度か質問したところ、「非常に負担が大きい」が29.2%、「やや負担を感じる」が53.1%と、8割以上が実感していることがわかった。
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採用業務で説明が伝わらなかった経験、「会社紹介」が最多に
人事業務のうち、採用業務に関わる業務で説明した内容が「十分に理解されていなかった」と感じたことはあるか聞いたところ、「よくある」が25.8%、「ときどきある」が57.8%で、合わせて8割を超えた。
中でも、「よくある」と回答した人のうち最も多かったのは「会社紹介・カルチャー説明」が67.3%で、「ときどきある」と回答した人の最多は「選考フローの説明」が66.1%だった。
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社内向けの説明で伝わらなかったと感じた業務は「オンボーディング」「制度説明」
社内向けの人事業務に関して「説明が十分に伝わらなかった」と感じた業務を聞くと、「よくある」と回答した人の中では「社員オンボーディング」が63.9%で最多、「ときどきある」と回答した人の中では「社内制度・福利厚生の説明」が49.5%、「評価制度・キャリアパスの説明」が48.9%で上位に挙がった。
制度やルールの説明など、相手の理解を前提とする業務ほど、伝え方の難しさが際立つ傾向が見られる。
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9割が「説明の属人化」を実感、改善には「伝え方の型」が鍵に
説明業務について、「伝える担当者によって、情報の伝わり方に差が出る」と感じた人は89.1%に上った。特にその差を感じたことが「よくある」と答えた人においては、「会社紹介・カルチャー説明」が67.3%、「オンボーディング」が65.3%など、初期フェーズでの情報提供場面で情報の伝わり方に差があると感じていた。
誰が説明しても内容が正しく伝わるよう、属人性を減らす「伝え方の型」づくりが、人事業務の重要な課題であることが浮き彫りとなった。
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9割以上が「伝え方の進化」に前向き
今後、動画やインタラクティブコンテンツを活用してみたい業務があるか聞いたところ、92.5%が「活用したい業務がある」と回答した。
活用ニーズが特に高かったのは、「カジュアル面談・一次面接の代替」が47.2%、「会社紹介・選考説明」が37.6%と、初期フェーズの業務だった。また、社内向けでは「オンボーディング」が33.5%、「社内制度説明」が28.6%などで活用意向も高く、情報提供の標準化や効率化を図る動きに前向きであることがうかがえた。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:2025年7月11~18日
- 調査目的:人事業務における「伝える業務」の実態を把握
- 調査対象:企業の人事担当者470名
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査主体:LOOV
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