第一生命ホールディングスは、第一生命保険と雇用契約を結ぶ約1万5000名の固定給社員(内勤および営業職指導者層)を対象に、2027年4月より人事制度を全面的に改定する方針を明らかにし、労働組合に提案した。
主な改定の柱は、「役割・成果や専門性と連動した処遇」と「キャリアの選択肢の拡大」である。概要は次のとおり。
年齢や職種にとらわれない「役割・成果や専門性と連動した処遇」
- 職掌を廃止し、職種を「管理職」「基幹職」「営業職(生涯設計デザイナー)」にシンプル化
- 年次や年齢にとらわれることなく、仕事の内容や責任の重さ、成果に応じた処遇設定とし、同じ役割・同じ評価であれば社員の属性によらず同様の処遇となる仕組みに。具体的には、これまで年齢や資格により等級を決定していた仕組みを改定し、仕事の内容や責任の重さに応じて等級を決定する仕組みに改定する
- 職務や専門性によっては、マーケットバリューに応じて上限なく処遇できる枠組みを整えるほか、高い専門性・生産性を発揮し会社に貢献する意欲の高い人材には、年齢や入社年次に関係なく抜擢や高処遇といった集中的な投資を行う。たとえば、アクチュアリーなど高い専門性を持つ20代の若手社員の場合、年収が最大約140万円アップする
- 60歳以上の社員も60歳以下の社員の評価・処遇と差を設けない形で見直しを検討している
働く場所も含めた「キャリアの選択肢の拡大」
- 内勤職は、合意のない転居を伴う転勤を廃止する。具体的には、「中長期的にキャリアを形成したい場所(基準勤務エリア)」と「転勤しないことも含む転勤範囲(転勤可能エリア)」の2点について社員自身が選択し、それに基づいた人事異動を実施する
- 転居を伴う転勤をする社員が納得感を持てるよう、転勤者には月額最大16万円の各地赴任手当を支給する。また、単身赴任者へのサポート手当も拡充する
- 一方、全国の営業拠点を担当する拠点長は、適材適所で安定的な人材配置が重要であることから、転勤を前提とした処遇とする。ただし、「全国型」「エリア限定型(新設)」「限定型」の区分を設け、全国型を選択した社員には転勤の有無にかかわらず給与の20%を手当として支給する
これらの改定は今後、労働組合との協議を経て決定する予定。決定時期は現時点で未定だという。
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