マイナビは、2027年卒業予定の全国の大学生・大学院生を対象に実施した「マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査10月<インターンシップ・キャリア形成活動>」の結果を発表した。
調査結果について、同社は以下のように述べている。
インターンシップ・仕事体験先で、女子のほうが働き方やライフイベントとの両立に関する情報を重要視
10月のキャリア形成活動に参加した学生の割合は57.0%で、前月より19.6ポイント減少となった。夏休み期間中は比較的自由な時間が多く、インターンシップや仕事体験などのキャリア形成活動に参加しやすい状況だったが、10月からは授業や課題が始まることから、キャリア形成活動の時間確保が難しくなったことが参加率低下の要因と推察される。
インターンシップ・仕事体験先で、社員から聞きたい話については、「具体的な仕事内容」(69.7%)、が最多で、次いで「会社の長所や短所」(47.3%)、「仕事のやりがいや満足感」(46.5%)となった。中でも男女差が大きかったものは、「社員の働き方やワークライフバランスについて」(18.3ポイント差)、「残業や休日出勤の実状」(17.1ポイント差)、「産休や育休制度の利用状況」(15.4ポイント差)となり、いずれの項目も女子のほうが多かった。
女子のほうが働き方やライフイベントとの両立に関する情報を重要視しており、女性のキャリア形成において長期的なライフプランや働きやすさへの関心が高まっていることが示唆される。
給与が支払われる「有償インターンシップ」の参加率は17.8%。実務性や責任感を伴う経験ができたという声も
交通費や昼食代以外の給与が支払われるような「有償インターンシップ」に参加したことのある割合は17.8%だった。参加した理由を聞くと、「希望する業界・職種を体験したかった」(44.6%)が最多で、次いで「実務経験を積みたかった」(43.8%)、「報酬が魅力的だった」(38.7%)となった。
また、「有償インターンシップ」と「無償インターンシップ」の違いについて聞いたところ、「実務に近い経験ができたもの」(54.9%)が最多で、次いで「自分に責任ある仕事が任されたと思えたもの」(50.7%)、「教育的なサポートが充実していたもの」(48.9%)となったが、いずれの項目も「有償インターンシップ」が高い結果となった。
「有償インターンシップ」は報酬があることで社会人としての労働の対価を得る経験ができるほか、「無償インターンシップ」よりも実務性や責任感を伴う経験ができることで、結果として学びの質が向上するという効果が期待できる。
なお、同調査担当者であるマイナビキャリアリサーチラボ 研究員 服部幸佑氏は、この結果について次のように分析している。
「今回の調査では、女子学生が『社員の働き方やワークライフバランス』『残業や休日出勤の実態』『産休・育休制度の利用状況』といった項目を男子学生よりも高い割合で選んでいることが明らかになりました。女性のキャリア形成において、長期的なライフプランや働きやすさへの関心が高いので、企業としては働き方や制度の透明性を高め、学生に対して積極的に情報発信することが、将来の多様な人材確保に向けた重要な取り組みとなるでしょう。
また、『有償インターンシップ』は『無償インターンシップ』に比べて実務性や責任感、教育的サポートの面で優位性を示しており、結果として学びの質を向上させることに繋がっている可能性がみられました。よりリアルな職場体験を通じて、自分の適性や働き方を深く理解したいと考えている学生にとって、有償インターンシップは有力な選択肢となるでしょう。キャリア形成の一歩として、目的に応じてこうした機会を積極的に活用することが、将来の意思決定に大きなヒントとなりえます」(服部氏)
【調査概要】
- 調査名称:「マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査10月<インターンシップ・キャリア形成活動>」
- 調査期間:2025年10月20日(月)~10月31日(金)
- 調査方法:マイナビ2027会員(退会者含む)にWEB DMを配信し、インターネットアンケートより回収
- 調査対象:2027年3月卒業予定の全国の大学生、大学院生
- 調査機関:自社調べ
- 有効回答数:1517名(文系男子238名 文系女子576名 理系男子352名 理系女子351名)
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