ここからは、発足20周年を迎えた三菱UFJフィナンシャル・グループが、ギフティと実施した周年施策について、次の方々にインタビューした模様をお伝えする。
- 飾森亜樹子氏(株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 経営企画部 ブランド戦略グループ 部長 チーフ・コーポレートブランディング・オフィサー)
- 太田睦氏(株式会社ギフティ 代表取締役)
- 熊谷優作氏(株式会社ギフティ Gift Distribution Corporate Gift Director)
パーパスを自分事化するための「感謝の可視化」
——昨今、企業から従業員へのギフトを通じて従業員体験(EX)を向上させる動きが強まっています。その背景について、太田さんのお考えをお聞かせください。
太田睦氏(以下、太田) 弊社がデジタルギフトを活用した法人向けサービス「giftee for Business」を開始したのは2016年ですが、当時は企業の販促やプロモーションでの活用が中心でした。Corporate Giftのニーズが顕在化したのはコロナ禍からです。リモートワークや副業の普及により働き方が多様化し、企業様からは「従業員とのエンゲージメントが薄れている」という課題を頂戴することが増えました。また、若年層を中心とした人材流動化も進んでおり、採用だけでなく「いかに定着し、活躍し続けてもらえるか」が重視されています。会社から「しっかり見てもらえている」「働く実感が得られている」と感じてもらう必要性が、背景要因として非常に高まっていると感じます。
——エンゲージメントは多くの企業の課題ですね。三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)さんでは、20周年施策のコンセプトとして「これまでの20年の感謝を、未来の20年(変革)につなぐ」を掲げられています。この言葉に込められた意味を教えてください。
飾森亜樹子氏(以下、飾森) MUFGにとって「感謝」という言葉には、エンゲージメントにとどまらない深い意味があります。私たちは2021年に「世界が進むチカラになる。」というパーパスを定め、カルチャー改革を進めてきました。その中で大切にする価値観の1つとして「挑戦とスピード」を掲げているのですが、当初はビジネスコンテストやキャリア公募など、分かりやすくチャレンジングな行動ばかりにフォーカスが当たってしまったんです。しかし、私たちが目指す挑戦は、1人ひとりが身近な誰かの力になるという、小さな積み重ねの先にあるものです。
——大きな挑戦だけでなく、日々の貢献を大切にしようということですね。
飾森 はい。パーパスを自分事化するためには、誰かのためになっている行動をしっかり認知し、見える化して称え合うことが不可欠だと考えました。感謝や称賛を社内コミュニケーションの中に組み込み、挑戦とスピードを絡め合わせていく。この20周年という節目に、みんなが誰かに対して感謝を形にすることで、「自分もパーパスを体現しているんだ」という実感を持ってほしかったのです。一過性のお祝いではなく、社員が自発的に感謝を伝え合う施策を目指しました。
——まさに、パーパスの根っことなる部分にフォーカスされたわけですね。では、今回のギフティさんとの連携はどのようなきっかけで始まったのでしょうか。
飾森 もともと、社員が参加する社会貢献活動向けのウェア・グッズに関する在庫課題や運用負荷を解消するプロジェクトなどで、ギフティさんのグループ企業でオンデマンド型のオリジナルアパレル・グッズ企画のプラットフォームを有するpaintoryさんとお付き合いがありました。在庫リスクや拠点ごとの配送、問い合わせ対応といった悩みに柔軟に応えてくださる姿勢に、非常に信頼を寄せていたんです。当初は20周年の記念グッズをお願いする予定でしたが、グループ全体の多様な社員の価値観に合う「1つの物」を決めきれず、悩んでいました。そんなタイミングで、ギフティさんからいただいたCorporate Giftの「pass the flower[1]」を拝見し、「まさにこれだ!」と直感したのが始まりです。

注
[1]: ギフティオリジナルの花束型の紙のギフトカード。「キモチの循環を促進することで、よりよい関係でつながった社会をつくる」をミッションに掲げるギフティが、自社のCorporate Giftとして取引先・顧客へ贈るギフト。裏面に印字されている二次元コードによりデジタルギフトを贈ることができ、メッセージも書き込める。ギフトボックスに4枚入っており、受け取ったお相手はさらに同僚などへ感謝や労いのキモチを花束カードで贈ることができる。
——日本人の国民性として、面と向かって感謝を伝えるのは照れくさい部分もありますよね。
飾森 そうなんです。特にご家族に対しては恥ずかしくてできないこともある。でも、すてきなカードと少しのギフトがあれば、それが背中を押すきっかけになるのではないかと考えました。そこから2025年の7月後半に検討を開始し、10月のリリースに向けて一気に動き出しました。


