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イベントレポート《AI活用》| MIXIの採用プロセス変革とその手ごたえ

MIXIはAIをどう面接に組み込んだのか?候補者体験と採用の質を高め、生まれた時間は「強い組織づくり」へ

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 近年、採用領域におけるAI活用が急速に進んでいるが、単なる業務効率化に留めず、採用の質や候補者体験の向上につなげられている企業はまだ多くない。株式会社MIXIでは1年間、AIと人が担うべき役割を再定義し、採用プロセスの変革に取り組んできた。本稿では、3月に開催された「MIXI MEETUP!AI DAY 2026」より、人事本部 組織戦略部 部長の山本陽司氏、中途採用グループマネージャーの卯木源一氏、新卒採用グループマネージャーの川原友希氏によるセッションの模様をレポートする。

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現場主導で進めるAI導入の狙いと活用ツール

 MIXIの人事本部 組織戦略部は、中途採用と新卒採用、そしてHRBPの機能を持ち、各本部の組織づくりを推進する部署である。本セッションのモデレーターを務める部長の山本氏は、同部のAI活用について、この1年を「AIに何を任せて、人は何を担っていくのかを突き詰めてきた期間だった」と振り返る。これを受け、新卒採用と中途採用をそれぞれ統括する川原氏と卯木氏から、具体的なツールやAIの活用法が語られた。

 まず、新卒採用では、動画面接プラットフォーム「harutaka(ハルタカ)」を導入している。川原氏は、その運用フローを次のように説明した。

川原 友希氏

川原 友希(かわはら ゆき)氏

株式会社MIXI 人事本部/組織戦略部/新卒採用グループ マネージャー

新卒で飲食店検索サイト運営会社へ就職し、Webアプリエンジニアとして勤務した後、会社で働く「人」の重要さに気づき、IT業界のベンチャー企業に人事として転職。エンジニアを中心とした新卒採用・中途採用、新卒育成、インターンシップ開催などに携わる。「日常がもっと豊かになるサービスを提供したい」と考え、2020年にミクシィ(現MIXI)へ入社し、新卒採用グループマネージャーを担当。

 「まず面接のやり取りをシステム上で録画し、その音声データをAIが文字起こししてくれます。私たちがMIXIとして必ず確認したい要件を事前にシステムに定義しており、それに沿ってAIが事実ベースで要約を行う点がポイントです。その要約データから、次の選考への申し送り事項の反映などを行います」(川原氏)

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 従来は、目線合わせを目的に人事が面接に同席してメモを取っていたが、harutakaの導入によってその必要がなくなった。選考における運用の工数削減と質の向上を同時に実現できるのだ。

 一方、中途採用では、採用管理システムとして「HERP Hire」を導入しており、その中で「HERP AIリクルーター」の活用を進めている。

 「面談の記録や申し送りの自動化といった狙いは新卒採用と共通です。それに加えて中途採用では、選考の質を高めるような壁打ちなどでも、AIを積極的に利用しています」(卯木氏)

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「人が向き合うべきこと」と「仕組みに任せること」

 これらのツールを用いて、AIと人間の役割をどのように分担しているのだろうか。山本氏が尋ねると、川原氏は「新卒採用では、面接における情報の抽出と構造化はAIに委ね、候補者に向き合う部分を人間が担うようにしている」と答えた。

 「これまで面接を実施するときには、要件を見極めるために面接官が頭の中で何を聞こうかと思考しながら、同時に聞いた内容を整理してメモを取るというマルチタスクが必要でした。今は、私たちが定義した評価項目をAI側が自動で整理をしてくれているので、面接官は何について確認すればよいのかが事前に分かる状態で面接に臨めます」(川原氏)

 またAIが面接の内容を構造化してくれるため、面接官は候補者の回答を整理してメモを取る作業から解放される。

 その結果、面接官は候補者のキャリア観や新卒特有の不安に寄り添っていくこと、魅力付け、クロージングなどに集中できるようになったという。

 また、中途採用では、面談の記録や申し送りといった運用は新卒採用と共通しているうえで、「判断の壁打ち」が大きくアップデートされたと卯木氏は述べる。

卯木 源一氏

卯木 源一(うのき げんいち)氏

株式会社MIXI 人事本部/組織戦略部/横断HRBPグループ マネージャー

新卒で大手人材紹介会社へ入社し、大手自動車メーカー、半導体メーカーなど製造業向け人材紹介の営業に従事。「幸せに生きるために必要な事業に関わりたい」という思いから、2020年にミクシィ(現MIXI)へ入社。2023年4月に中途採用組織のグループマネージャーに就任。採用ブランディング事業にも取り組む。

 「『ユーザーサプライズファースト』など、MIXIが大事にしている価値観や行動指針となるValues、コンピテンシー(等級の定義)をしっかりAIに組み込んで、適切な壁打ちができるようになりました。たとえば、最終的にオファーをするときに、どれぐらいの職位や報酬が妥当なのか、客観的な意見をAIに相談できるようになりました」(卯木氏)

 AIと壁打ちすることによって、採用判断に大きな変化がもたらされた一方で、卯木氏は「責任」の所在について明確なスタンスを示した。

 「最も重要なのは、あくまでも人が責任を持って判断をするということです。採用は、本当に入社したときがスタート。AIに委ねすぎてしまうと、候補者も会社も『良かった』と思える採用への責任感がどうしても弱くなってしまうと思うので、ここは絶対にブラさないように運用しています」(卯木氏)

 では、実際にAIを採用選考に活用し、どのような変化や手ごたえを感じているのだろうか。

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この記事の著者

井上奈美香(HRzine編集部)(イノウエ ナミカ)

1994年宮崎県生まれ。京都女子大学文学部国文学科を2017年に卒業し、株式会社翔泳社に新卒として入社。メディア事業部の広告課に配属される。2020年8月に人事向けWebメディア「HRzine」の立ち上げに参画し、HRzineの営業責任者に従事。2023年4月よりHRzine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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