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採用のこころ | #2

「転職する未来が見えたとしても、そのエンジニアを採るか?」―ワークスアプリケーションズ 井上誠一郎さん


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 採用する側の人たちはどんなことを考えているのでしょうか? いわゆる「所属する組織の公式見解」だけで人は採用するのでしょうか? 公式見解の隙間に見え隠れする個人的な思いを知りたいということではじめたこのインタビュー。第2回はワークスアプリケーションズの井上誠一郎さんです。井上さんは、アリエルネットワークの創業メンバーとして、そして現在はワークスアプリケーションズのHUE & ATE Divisionの統括パートナーとして採用に携わっています。スタートアップ企業の採用と、大企業の採用はどのように違うのでしょうか?井上さんと筆者は過去に対談記事のお仕事をご一緒させていただいておりました。そこで知った井上さんの限りなくニュートラルでフラットなお人柄が、時に冷酷に、時にあたたかく感じるインタビューとなりました。

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アリエル時代の採用、ワークス時代の採用のちがい

 井上誠一郎
井上誠一郎(いのうえ・せいいちろう)氏
株式会社ワークスアプリケーションズ Partner/Executive Fellow
ロータス株式会社時代、アメリカ・ボストンのIris Associates社に出向、Lotus Notesの開発に従事。その後、アリエル・ネットワーク株式会社の創業メンバーとして参加、CTOを務める。
現在は株式会社ワークスアプリケーションズのエグゼクティブフェローとして、製品横断のパフォーマンス改善、開発インフラの改善、採用(グローバル)、教育等に従事。また、同社の新製品である世界初の人工知能型ERP「HUE」開発のアーキテクチャー責任者を務め、グローバルでの開発を指揮している。

小泉 前にキャリアの話をしましたよね。

井上 あれ、自分が言った記憶のない話で……なんだっけ。

小泉 採用してもパッとしない人もいるけどそれでも採用するしかない、と。

井上 そんなこと言いましたっけ?(笑)

小泉 言いましたよ。

井上 ちょっと前後の文脈がどういう文脈で言ったかあまり記憶がない。

小泉 じゃあ、少しずつ話を聞いていく中で思い出していただくとして……。このインタビューは井上さんで二人目なんですが、一人目のかたを取材したときに気づいたのは、当たり前のことなんですけど、ジェネラルに面接する人と、現場側として面接する人がいるんですよね。採用する側にその2つがあって、会社によってどの順番でやるかとか、中途とか新卒によって、どういう順番でやるかとか、たぶんいろいろ違うと思うんですけど、井上さんは、今、ロールとしてはどういう立場で面接をされているんですか。

井上 採点の観点で言えば、自分の立場はキャリア上2つに分けることができて、アリエル時代とワークス時代。アリエル時代、僕はCTOでした。まあ、会社の人数が少ないので、ジェネラルな人事面接と現場面接のような違いはほぼないに近い。いきなり現場の人なり、事前のペーパーテストとかで、プログラマーとしてできるかどうかを見ている。それが1人の時も2人になる場合もあるけど、最終的に僕が技術的なところや会社の社風に合うかっていう、ある種ジェネラルなところも見て採って、以上。そこで、僕が良いと言えば採る。

小泉 じゃあ、もう井上さんだけにかかっていた。

井上 うん。僕が見てたのは、8割くらいが技術的なところで、後はメンタル的に大丈夫かな、というのが2割くらい。

小泉 それはアリエル時代のお話ですよね。

井上 アリエル時代。会社規模が10人くらいのところから、開発組織としては3~40人くらいなので、入社する人に関しては完全に自分が見て良いと思う人しか採らない。ワークスになると、会社規模も大きいので役割も変わって、まず新卒は僕はほとんど見てないです。よっぽど、学生がすごい迷ってて、口説いてくれみたいな感じで面接に入る場合はありますが。

小泉 井上さんが口説きに行く……!

井上 でも、これはかなり例外です。それ以外はもう、現場のエンジニアと人事がいろいろ面接して採っていきましょうと。で、中途の方は、まあまあアリエル時代に近く、最後のほうの面接をしますが、人事面接が先に入っていますね。あまりにも不適合な人はたぶん、その知らないところでカットされているかもしれません。アリエル時代にはそういうフィルターはなかったですけど。

小泉 不適格な方もいらっしゃったと。

井上 ワークスの場合、ジェネラルな1次フィルターがあります。その後になると、技術系なので比較的アリエルに近くて、現場レベルで技術のところを見て、自分が見て。これもアリエルと同じで、2割ぐらいは、文化に合うかなとか、ちゃんと仕事できるかなというところを見て、残り8割くらいは……いや、もうちょっと人間的な部分を見て、3~4割くらいは見てるかな(笑)。規模も大きいので周囲とうまくやっていけるかどうかを見て、残りは技術的な部分ですね。その後、人事の責任者が見ますが、そこは基本的に落とすための面接ではないので。だから、元の質問のジェネラルか専門領域かでいうと、アリエル時代は自分が決めていて、ワークスになると、組織が大きいのでフィルターがいくつかあって、そこにジェネラルな部分がけっこう入っているかな。

小泉 アリエル時代は、アリエルを創って突然採用することになったわけですよね。

井上 そうですね。

小泉 早いですよね。

井上 キャリア的には29歳でアリエルを創ったので早いほうかと。最初の1~2年くらいは知り合いベースが多かったので、面接で最終判断する立場は31歳くらいから。それなりに早くて未熟な部分もあったかと思います。面接の勉強をしているわけでもなく、感覚だけでやっている感じ。ただまあ、人数が少ないのと、本当に技術的にちゃんとしているかどうかを見るのは、会話の中だったり、コードをホワイトボードに書いてもらったりで、わかりやすい。で、チームに馴染むかも、結局その当時の開発者が10人ちょっとだとすると、おおよそ想像がつく。やっぱり規模が小さい会社の採用はそういう意味で言うと考えることが少ないので、簡単だったかなと思いますね。人間性とか会社の文化に合うかっていう点で言うと、ワークスのほうが難しいですね。

小泉 今、どれくらいの頻度で面接をこなしているんですか?

井上 この半年くらいは、平均すると、週1くらい。

小泉 けっこうハイペースですね。

井上 当然、僕の前に面接している人がいて。まあ、僕の前に3~4人くらいが面接しているので、僕のところには、1人が週1くらいで。

小泉 じゃあ、もう、井上さんのところに来る人はフィルターを通過した方々。にもかかわらず、アリエル時代より難しい?

井上 えっとですね、技術的なところよりも、ちゃんと社風に合うかなっていうところ。もう一つは、アリエル時代は人数が少ないので、毎日話せる。入ってきた後も。ワークスの数千名の規模になると、入社した後に下手すると1か月に数回しか話す機会がなかったりするので、知らないうちにひねくれてたり(笑)。

小泉 ひねくれてたりって(笑)。

井上 文化が合わなかったというリスクもあるので、そこまで考えると、技術以外の人間性を見るっていうところが難しくなってきた。

小泉 井上さんが統括している人たちを採るための面接なんですよね?

井上 そうです。今やっているのは自分のHUE & ATE Divisionの中の採用です。

小泉 それで井上さんのOKが出れば基本的には通ると。

井上 さっきも言ったとおり、後のプロセスはまだあります。あくまでも自分はCTO的な立場として判断が求められていて。そういう意味で言うと、あんまりいろんな立場を経験しているわけじゃないですね。

小泉 採用される側のときと、採用する側にたった時の心境の変化とかありますか。

井上 すみません、それがまず、あまり採用される側に立ったこともなくて(笑)。まあ、ゼロではないですけど。昔を思い出すと、採用される側の頃って見えている世界が狭いですよね。で、採用する側の気持ちもわからないので、自分が思っているものをちゃんと見せるしかないなっていう、そのスコープでしか考えていなかった。ただまあ、自分を必要以上に良く見せようというのはもともとあまりなかったかな。

小泉 なさそうですよね。

井上 入った後に化けの皮がはがれるじゃないけど、それが嫌なので、採用される側の時も変に良く見せようとしたり、誇張しようとしなくなったと思います。で、逆の採用する側の立場になったら、そういう人もそれはそれで面白くて(笑)。明らかに話を盛ってるなとわかるとちょっとツッコミ入れたくなったりする(笑)。

小泉 井上さんひとりと1on1ですか?

井上 ほぼそうですね。1on1の理由の9割が、僕はたくさんいてもあんまり意味がないと思っているのと、あと1割くらいが、変に圧迫したくなくて、自然な状態を引き出したいなっていうのがあります。

小泉 ワークスさんのような大きなところだと、それこそ、こう、たとえは悪いけど、ザーっとみんなリクルートスーツ来た男女が並んできて、面接するほうもダーッと人がいて、どこか、オートマティックな、お見合い大会みたいなイメージがあったんですけど、そうでもないのですね。

井上 それはないです。ただ、2~3人で面接したりも、採用プログラムによってはいろいろありますね。

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この記事の著者

小泉 真由子(編集部)(コイズミ マユコ)

情報セキュリティ専門誌編集を経て、2006年翔泳社に入社。エンタープライズITをテーマにイベント・ウェブコンテンツなどの企画制作を担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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