リブセンスは、同社が運営する転職口コミサイト「転職会議」において、国内1429社・13万2669件の従業員の口コミをもとに「ワークライフバランス」「やりがい」の男女別満足度を分析し、その結果を発表した。
それによれば、「ワークライフバランス」と「やりがい」の満足度が男女ともに高い企業には、従業員のセルフマネジメントや能動性が活かせる環境があり、適合性がある従業員にとってはその環境で働くことが大きな魅力となっているという。
この結果は、以下のような分析結果から導かれた。
従業員の状況や価値観と企業との「適合性」が「ワークライフバランス・やりがい」満足度を左右しているという実態
「ワークライフバランス」「やりがい」の男女別満足度を分析したところ、6割近くの企業で男女いずれかの評価に±0.25を超える偏りが見られた[1]。
注
[1]: ±0.25は評点差の標準偏差(ワークライフバランス:0.515、やりがい:0.492)の約0.5倍に相当し、分布の中央に位置する実質的な差がない範囲の目安として設定している。
それぞれを男女で分けてみると「ワークライフバランス」は、女性の満足度が高い企業(32.3%)が男性の満足度が高い企業(25.2%)を上回った。「やりがい」は、女性の満足度が高い企業(29.2%)が男性の満足度が高い企業(27.2%)を上回り、総じてどちらの観点においても女性の満足度が上回る結果が得られた。
さらに、ワークライフバランスとやりがいの男女評点差を2軸にとった散布図(n=1429社)から、次図の構造が浮かび上がった。
この散布図の中央のボックス(約20%)は、ワークライフバランスとやりがいのそれぞれの男女評点に偏りがない層だが、その外側に散布されている層(約80%)には、何かしらの偏りがあることを示している。しかし、企業ごとに確認すると、ワークライフバランスとやりがいの偏りの組み合わせはさまざまで、一律の傾向は見られなかった。そこで転職会議では、これらのデータに「口コミ」の定性情報を加味して、次のように結論づけた。
ワークライフバランスを左右するのは、制度の整備ではなく、職場の文化や雰囲気
ワークライフバランスの実現には、制度の整備だけでなく、それを活用しやすい職場の文化や雰囲気が伴うことが重要とされている。転職会議に寄せられる口コミからは、チームでフォローし合う文化が根付いている企業では有休が取りやすい一方、制度があっても「使いにくい雰囲気」や業務の性質によって活用が難しいケースも見られる。制度と文化の両輪が整って初めてワークライフバランスが実現する様子がうかがえる。
やりがいの源泉は個人の価値観に依存。業務・役割との組み合わせが鍵
やりがいの感じ方は、職種・業務内容・個人の志向性など、性別よりも個人の状況や価値観に依存する要素が大きいとされている。転職会議に寄せられる口コミには、人生の節目に立ち会う喜び、製品が世に出る瞬間の達成感、ビジネス視点の成長など、やりがいの形が1人ひとり異なる声が並んでおり、業務や役割との組み合わせが満足度を左右していることがうかがえる。
「ワークライフバランス・やりがい」の両評点が高い企業群には、「セルフマネジメントと能動性が活きる環境」という口コミ
転職会議では、サンプルとして男女ともに「ワークライフバランス・やりがい」の評点が高く、男女間の偏りが小さい企業17社を抽出した。業界としては、マスコミ・広告(4社)、不動産系(4社)、Web・インターネット(3社)の企業が多く見られる。
[画像クリックで拡大表示]
一方で、評点の高さはすべての従業員にとっての適合性や満足度を保証するものではなく、従業員の状況や価値観によって異なることが考えられる。特に評点の高い企業ほど、「ワークライフバランス」への柔軟な制度が整っているからこそ、自律的に働くことやセルフマネジメントが求められる環境である場合があり、それが合う人にとっては「やりがい」となって大きな魅力となることがうかがえる。
【調査概要】
- 調査期間:2022年1月1日~2026年3月15日に投稿された口コミを対象に集計
- 調査機関:自社調査(株式会社リブセンス)
- 調査対象:転職会議に投稿された口コミのうち、「ワークライフバランス」「やりがい」の両項目について男女各5件以上の口コミを保有する企業
- 有効回答数:口コミ件数 13万2669件、対象企業数 1429社
- 調査方法:自社保有の口コミデータを集計・分析。男女別の平均評点を算出し、評点差(ギャップ)の分布を7段階に分類。雇用形態による影響を排除するため、正社員・契約社員の投稿に限定して集計
【関連記事】
・27卒の就活の軸は「ワークライフバランス」が1位 企業選びは「働きやすさ」と「安定性」を重視—学情調べ
・上司の理解不足を感じる社員は62% 上司の理解が低い層は仕事にやりがいを感じづらい—タバネル調べ
・管理職の9割以上が昇進して「良かった」 しかし部下の有無で「やりがい」に差が見られる—マイナビ調べ

