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従業員の不満足要因を可視化して離職を防止するサービス「ハイジ」をリリース―OKAN

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 「ハイジーンファクター」とは、米国の臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグが提唱した「二要因理論」にある、仕事への不満足を誘引する要因のこと。満足を誘引する要因「モチベーター」と対をなす。ハイジーンファクターとなるのは、自身の健康状態、家庭との両立、同僚との関係、職場環境などで、それらが失われると仕事に対する不満足度が高まり、離職にもつながる。厚生労働省の調査「平成28年雇用動向調査結果の概況 転職入職者が前職を辞めた理由別割合」(PDF)では、ハイジーンファクターが離職理由の約8割になっているという。

ハイジーンファクターが離職理由の約8割
ハイジーンファクターが離職理由の約8割
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 「ハイジ」は、このハイジーンファクターに特化した調査・分析サービス。従業員にアンケートとして「職場推奨度」に関する1問(他者に自社をどの程度勧められるかを10段階で回答)と、ハイジーンファクターに関する48問を回答してもらい、その結果から従業員の状態を分析・可視化する。ハイジーンファクターは「チームワーク」「社内の雰囲気」など12要素に分類して点数化する。分析結果は部署や年齢といった区分で比較でき、企業における改善するべき問題の原因とその優先順位を明らかにできる。アンケートの所要時間は10分程度。実施は月に1度が目安。

ハイジでは従業員の状態を12要素に分類して可視化。部署や年齢などで比較できる
ハイジでは従業員の状態を12要素に分類して可視化。部署や年齢などで比較できる
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 ハイジは2018年11月にベータ版を公開。OKANがベータテストの参加企業を募ったところ、50社からの問い合わせを受けた。特に、従業員数が500名以上で、かつ離職率が比較的高い小売・サービス、製造業系企業からの問い合わせが目立った。本社機能から離れたところに拠点や店舗などがあり、普段目を配ることが難しい企業にニーズが高い傾向と同社では見ている。また、ベータ版を利用した企業からは「離職が多い部門の課題の方向性が理解できた」「認識していた課題とは、別の要因の優先度が高く出るとは想定していなかった」といった声が届いたという。

 ハイジの利用料金は、Basicプランが月額500円/人。初期費用はないが、60名以下での利用の場合、最低利用料金3万円となる。そのほか、500名以上で利用する企業向けのEnterpriseプランもある。料金は要問い合わせ。ハイジの初年度導入企業目標は160社。ベータ版の問い合わせが多かった小売・サービス、製造業に向けて主に展開する。

 なお、OKAN 代表取締役CEOの沢木恵太氏は、同社のこれからの事業について「“働く人のライフスタイルを豊かにする”のミッションステートメントの下でHR分野、特に離職防止、リテンションマネージメントに特化した企業として、課題の可視化から対策の立案、施策の実行までを支援していく。課題の可視化はハイジで行う。可視化後のアクションに向けてはオフィスおかんのほか、自社・他社問わず費用対効果が高いソリューションを推奨(リコメンド)することを考えている。さらに、そもそも企業とのミスマッチのない採用に関わっていく可能性も大いにある。その場合も、ハイジーンファクターやワーク・ライフ・バリュー(仕事と生活と個人の調和を取る上で個人が大切にしたいと考える価値感)という観点で行うことになる」と説明。ハイジを開発した経緯については「オフィスおかんの提供を行う中で、企業の人事・総務の方々が、(従業員の状態の)可視化や(対策の)効果測定に困っており、改善に向けた投資に踏み切れずにいる現状を知ったため。人材に関する課題を解決したいという思いは当初から持っていた」と述べた。

OKAN 代表取締役CEOの沢木恵太氏(左)と、同 ハイジ事業責任者 岡本達矢氏(右)
OKAN 代表取締役CEOの沢木恵太氏(左)と、同 ハイジ事業責任者 岡本達矢氏(右)

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