リファラル採用を仕組み化する3ステップ
リファラル採用を仕組み化するためには、まずは「認知」→「動機付け」→「行動」という、基本の3ステップを理解することが重要です。リファラル採用の導入に成功している企業はこれらの基本ステップを確実に踏んでいます。
では、3つのステップでそれぞれどのようなことに気を付けていけばよいのでしょうか? 今回は、最初のステップ「認知」について詳しく解説していきます。
「認知」は思ったよりも進まない
リファラル採用の成功の鍵は「社員認知の浸透」です。リファラル採用を行う前提として、社員紹介制度(インセンティブの基準や紹介フロー)はもちろん、自社の募集求人や求める人物像を社員に理解してもらう必要があります。
しかし、社員にこれらを認知してもらうことは簡単ではありません。ある会社で社員紹介制度を1年運用した後にアンケートを取ったところ、制度を知っている人は40%にすぎず、選考のフローを知っている人は8%、求人のポジションを知っている人は4%にとどまりました。その会社では、制度を社内イントラに掲載し、メールで求人も配信していたにもかかわらずです。人事が想定している以上に、社員はリファラル採用を認知していないと考えておいたほうがいいでしょう。
一般社員はそれぞれ主要業務を持っていて、採用はメインミッションではありません。そのため、人事としてはリファラル採用のことを説明したつもりでも、社員にしっかりと届いていない可能性があります。
なぜ「認知」をしてもらうことが重要なのか
そもそも、なぜリファラル採用では認知が大事なのでしょうか?
リファラル採用は、基本的に「プライベートな場」で起こりえます。友人と飲み会で話しているときに「今の職場で悩んでいて……」「もっとこういう仕事をしたいと思っている」という話題になることはよくあるのではないでしょうか。もし、そのときリファラル採用制度のことを知らなかったら、そのまま会話は終わってしまいます。今の自分の職場が友人の悩みを解消できる環境や、知人のやりたい仕事に近いとしても、せっかくの声をかけるチャンスがなくなってしまうのです。
しかし、リファラル採用制度があることを知っている人だったら、そのような場面で「うちを考えてみたら?」と声をかけることができます。ビジネスの場面ではなく、プライベートのふとした場面でリファラル採用が起こりやすいからこそ、社員にはリファラル採用制度があることを頭の片隅に置いてもらうことが重要です。
ただし、制度は知っているけれど、友人を紹介するフローや自社の空き求人ポストは知らないという人もいるはず。その場合も、わざわざ人事に問合せするのに手間がかかるので、紹介するのをやめてしまう人がいるかもしれません。このような機会損失をなくすため、社員にまずは「認知」をしてもらうことが重要です。
以降では、最初の導入時の告知方法や、多くの接点で認知を広げること、いろいろな角度の情報配信をすることなど、社内に認知浸透させるための取り組みをご紹介します。