事前にレポート提出して当日はシェアやディスカッション中心
――OCTOPASSはCTOやVPoE育成では唯一のサービスかと思います。まずは概要から教えてください。
OCTOPASSはCTOやVPoEの育成を目指したサービスで、プロジェクトマネージャーの経験を前提したミドルからアッパーミドルのエンジニアを対象としています。エンジニアはテックリードなど技術系と、経営やマネジメント系に分かれますが、ここでは後者が対象です。
第1期を2月6日から開始する予定で事前資料配付や課題提出まで進んでいましたが、新型コロナウィルスの影響で開催を延期しています。再開時期は検討中です。オンライン開催も検討しましたが、この講座はインタラクティブなところが強みですのでリアルな開催を目指しています。
――どんなカリキュラムを誰が教えるのでしょうか。
1つ目は「プロダクト開発」で、『カイゼン・ジャーニー』や『正しいものを正しくつくる』の著者である市谷聡啓さんが担当します。著書を教材に進めます。
2つ目は「エンジニアリング組織構築」で、MOON-XのCTOを務める塩谷将史さんが担当します。塩谷さんは楽天で大規模なマネジメントを経験し、2016年にはアペルザ、2019年8月にはMOON-Xを共同創業しCTOに就いています。OCTOPASSのエバンジェリストも務めています。
3つ目は「ファイナンスと意思決定」で、ラクスルの泉雄介さんが担当します。泉さんは音楽からITに進み、モルガン・スタンレーで金融を学び、DeNAも経験するなど異色の経歴をお持ちです。ファイナンスに強く、とても気さくな方です。
4つ目は「設計思想と技術負債」で、Supershipの山崎大輔さんが担当します。ヤフーで黎明期のアドテクを経験し、月間1兆アクセスなど大規模システム構築をするなど、技術にとても強い方です。
5つ目は「組織論~採用・文化・配置・評価~」で、CUBICの中川将志さんが担当します。自身の性格とメンバーの性格、エンジニアリング組織内の文化など、より「個々の性格やメンタル」にフォーカスした内容です。これをベースに、有名なベンチャー企業でも使われるようになってきたOKR(Objectives and Key Results)や評価について学びます。
――講座はどのように進めていくのですか。
一方通行の座学ではなく、インタラクティブに進めます。まずは理論解説の教材と関連するケース(事例)を事前にお渡しして、読み込んでいただきます。加えて、課題もお渡しし、講座前にレポートとして提出いただきます。課題は、「ある状況下において組織で発生した問題の解決策を提示する」「ある状況下で進めるプロダクト開発の仮説キャンバス~プロダクトバックログを作成する」といったものです。
講座当日は事前提出したレポートをチーム(5人1組)でシェアし、ディスカッションし、チームごとにより良い結論を導き出し、発表していただきます。そして講師が講評するといった流れです。
――ケースに触れられるのは貴重だと思います。
理論は書籍から学ぶことができますが、リアルなケースを目にできるのがこの講座の特徴です。一般的に世に出るケースは成功例しかありません。ここでは実際に起きた失敗ケースや課題をインプットして進めていきます。
アウトプットとなるレポートは、各講座が2日ずつの開催であるため、1日目の前、2日目の前と後、合計3回提出することになります。例えば、「プロダクト開発」の講座だと、1日目の前に仮説キャンパス、2日目の前にユーザー行動フロー、2日目の後にプロダクトバックログを提出します。
――課題提出が多くて大変そうですね。
講座は2週間に1度開催しますから、かなり大変かと思います。しかし、CTOになればタイムマネジメントも大事な仕事です。
――講座の開催日は夜7時半から10時まで、2時間半があっという間に過ぎそうです。
事前に資料をお渡しするほか、Slackでチャンネルを作り、自己紹介はそちらでやっていただきます。講座ではできるだけディスカッションなど、アウトプットに時間を割けるようにしています。