マイナビは、正社員の20代~50代男女のうち、直近1年間(2019年6月以降)に転職活動をした人を対象とした「転職活動における行動特性調査(2020年)」をインターネットにて実施し、結果を発表した。調査期間は2020年6月12日~2020年6月17日。直近1年間(2019年6月以降)に転職活動を開始し、すでに新しい職場に転職した800名(以下、転職者)と、まだ転職活動を終えていない800名(以下、転職活動者)の合計1600名から回答を得た。
(調査結果詳細(PDF)はこちらから)
転職活動を始めた理由として「副業や兼業を行える環境が欲しかった」と答えた転職者は4.3%だったのに対し、同様に答えた転職活動者は約3倍の12.4%となった。転職活動を終えていない転職活動者は、すでに新しい職場に転職した転職者よりもコロナ禍の影響を受けている可能性が高く、副業・兼業への意識が高いことが読み取れる。
転職サイトに副業可能と記載のある求人に対し「応募意欲が上がる」と回答したのは全体の63.3%。特に転職活動者においては、すべての年代(20代~50代)で6割以上が「応募意欲が上がる」と回答しており、副業への関心の高さがうかがえる。また、在宅勤務可能に対して「応募意欲が上がる」と回答した割合は、20代で67.2%、30代で60.5%に上り、コロナ禍において柔軟に働ける環境を望む傾向が見られた。
「転職サイト内に動画がある方が応募しやすい」と答えた人は69.2%。「企業ホームページ内での動画を視聴したことがある」と答えた人は58.4%となり、転職活動において動画の視聴が徐々に浸透している様子がうかがえる。職場の雰囲気や環境を伝えるには効果的な動画だが、求職者側のデバイス環境により通信制限があるなど、長時間の動画は敬遠されるため、視聴者に配慮して動画を配信することが必要である。
マイナビ転職 編集長の荻田泰夫氏は、本調査結果を受けての考察を次のように述べている。
「今回の調査結果から転職活動におけるキーワードとして注目したいのは、副業・兼業です。今後の経済の見通しが立ちづらい状況のなか、在籍企業の経営状況を鑑み、複数の収入源を得ることでリスクを分散したいと考え、副業・兼業が可能な転職先を探しているのではないでしょうか。
応募意欲が上がる言葉の上位には、副業や在宅勤務が並んでおり、マイナビ転職で毎月調査をしている検索キーワードランキングでも、在宅勤務は57位(2020年2月)から14位(2020年7月)にランキングが急上昇しており、今回の調査結果と照らし合わせても、コロナ禍において柔軟に働ける環境を望む傾向が見られました。
また、転職サイトや企業ホームページ内の動画視聴は浸透してきていますが、ポイントは動画の構成です。動画の冒頭で視聴者を惹きつけつつ、企業が伝えたい内容を盛り込むことが重要です」(荻田氏)