情報処理安全確保支援士(以下、支援士)は、次のような人材とされている。
- サイバーセキュリティに関する知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援する者
- サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、その結果に基づき必要な指導・助言を行う者
情報処理安全確保支援士には、サイバーセキュリティの確保に取り組む政府機関、重要インフラ事業者、重要な情報保有する企業などのユーザー側はもちろん、これら組織に専門的・技術的なサービスを提供するセキュリティ関連企業などのベンダ側という、双方での活躍が期待されている。
支援士制度の背景には、近年、サイバー攻撃が増加していることがある。その一方で、企業などの情報セキュリティ対策を担う人材が不足。情報漏えい事案も頻発している。それへの対策として、サイバーセキュリティ対策を担う専門人材の確保を目的に、サイバーセキュリティに関する最新の知識や実践的な技能を備えた人材を支援士として登録する本制度が制定された。
支援士を名乗るには、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する情報処理安全確保支援士試験(旧:情報セキュリティスペシャリスト試験)に合格し、登録を行う必要がある。登録は、IPAのWebページ(10月24日オープン)で行う。制度開始から2年間に限り、過去に情報セキュリティスペシャリスト試験、あるいはテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験に合格した人登録を受けられる。
IPAのWebサイトで、情報処理安全確保支援士試験を含む、情報処理技術者試験の試験要綱(PDF)も公開されています。
支援士の受験手数料は5700円で、他の情報セキュリティスペシャリスト試験から変更なし。支援士の登録時には登録手数料として1万0700円、登録免許税として9000円を納付する。登録事項の変更手数料は900円。なお、サイバーセキュリティに関する最新の知識・技能を維持するため、情報処理安全確保支援士には、IPAが実施する講習を毎年受講することが義務付けられている。
その他、名称や登録の受け付け、第1回の試験日などは次表のとおり。支援士制度の概要をまとめた資料(PDF)も、経済産業省のWebサイトで配布されている。法律名のほか通称名もあるがやや長いので、通称名の略称である「登録セキスペ」、あるいは改正法要綱の中で使われている「支援士」が広く使われそうだ。
法律名 | 情報処理安全確保支援士 |
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通称名 | 登録情報セキュリティスペシャリスト(登録セキスペ) |
英語名 | Registered Information Security Specialist(RISS) |
受験手数料 | 5700円 |
登録手数料(登録事項の変更手数料)、登録免許税 | 1万0700円(900円)、9000円 |
登録受付開始 | 10月24日(月) |
第1回支援士試験実施 | 2017年4月 |
登録についての情報 | IPA内ホームページ(10月24日から開設) |