ターミナルの主要コマンド
基本的な設定がわかったら、ターミナルのコマンドを覚えていきましょう。
今回は、ターミナルでよく利用するコマンドを11個紹介していきます。全てのコマンドは、入力した後にEnterを押すことによって実行されます。
cd
ディレクトリ間を移動する場合に使用します。
「ターミナルの使い方」でも述べたとおり、ターミナルでは1つのディレクトリしか開くことができません。そのため、他のディレクトリにあるファイルを操作したい場合は、そのディレクトリまで移動する必要があります。
(パスを指定する方法もありますが、ここでは割愛します)
このディレクトリの移動に用いるコマンドがcd
コマンドです。
cd ディレクトリ名
と入力して実行します。
例えば、現在のディレクトリ中にある「Documents」ディレクトリへ移動したい場合は、cd Documents
と入力します。
このとき、もし入力したディレクトリが存在しない場合は、「No such file or directory」というエラーが出ます。
また、現在のディレクトリよりも1つ上のディレクトリへ移動したい際は、cd ../
と入力します。
これらのディレクトリ名は、連続で入力することもできます。
例えば、Documentsディレクトリ内にあるtextディレクトリを開きたい場合は、cd Documents/text
と入力すると移動できます。
ls
現在のディレクトリ内に存在する、ディレクトリやファイルを表示するコマンドです。
このコマンドはls
のみで実行します。
例えば、先ほど画像で示したユーザ名のディレクトリですと、この図のように表示されます。(ユーザー名は白で隠してあります)
Finderのフォルダと比較すると、全く同じ名前のディレクトリを表示していることが分かるかと思います。
先ほど紹介したcd
コマンドでディレクトリを移動する際は、このls
コマンドで事前に移動したいディレクトリが存在するか確認すると便利です。
mkdir
ディレクトリを作成するためのコマンドです。
mkdir 作成したいディレクトリ名
で実行します。
例えばmkdir AAA
と入力し実行すると、AAAというディレクトリが作成されます。
rm
ファイルを削除するコマンドです。
rm ファイル名
で実行します。
このコマンドで削除したファイルはゴミ箱には入らず、また警告等も出ませんので、十分注意して実行するようにしてください。
誤って重要なファイルを削除してしまった場合、コンピュータが起動しなくなる可能性もあります。
mv
ファイルやディレクトリの名前を変更する場合や、移動する場合に利用します。
用途が2つあるので紛らわしいのですが、どちらの場合もmv AAA BBB
のように入力して実行します。
AAAとBBBは、ファイルまたはディレクトリの名前です。
このコマンドを実行した場合の動作は、このAAAとBBBによって、次のように異なります。
- BBBというディレクトリが存在する場合は、AAAをBBBの中へ移動
- BBBというファイルが存在する場合で、かつAAAがファイルの名前である場合は、BBBへ上書き保存
- BBBが存在しない場合には、AAAをBBBという名前に変更
cp
ファイルをコピーするコマンドです。
cp AAA BBB
と入力すると、AAAというファイルがBBBという名前でコピーされます。
このとき、BBBというファイルが既に存在している場合は、BBBへ上書き保存します。
また、BBBがディレクトリの名前である場合は、BBBディレクトリの中にAAAがコピーされます。
pwd
今開いているディレクトリまでのパスを表示します。
ターミナルで今どのディレクトリを表示しているのか分からなくなったら、このコマンドを実行しましょう。
このコマンドもlsと同様に、pwd
のみで実行します。
man
コマンドのマニュアルを開きます。
マニュアルは英語ですが、各コマンドのオプションなどが表示されるので、1度は試してみましょう。
man マニュアルを開きたいコマンド名
で実行します。
例えば、man man
と入力した場合は、次のようにman
コマンドの利用方法が表示されます。
このマニュアルを読んでいると、「OPTIONS」という項目があることが分かるかと思います。
この記事では説明を割愛しましたが、多くのコマンドにはオプションと呼ばれる機能を付加して実行することができます。
例えばmv
やcp
コマンドで-n
オプションを付けて実行すると、上書き保存を防止することなどができます。
特にプログラミングなどをターミナルでおこなう場合にはオプションもかなり利用することになると思いますので、こちらのman
コマンドでオプションの使い方などを一通り目を通してみましょう。
このマニュアルは、終了する場合にq
を入力します。
q
を入力して終了しないと、次のコマンドを受け付けませんので注意しましょう。
find
ファイルやディレクトリの検索に利用します。
find 検索する場所 -name 検索するファイル名
で実行します。
「検索する場所」が分からない場合には、先ほどのpwd
コマンドやls
コマンドを用いて、大体の目星を付けましょう。
clear
ターミナル画面をクリアし、表示された文字を全て消去します。
実行した内容が取り消される訳ではありません。
同じコマンドを何度も実行する場合などは、どのコマンドをいつ実行したのかが分かりにくくなってしまいます。
そのような場合はこのコマンドを実行し、いったんターミナルを見やすくしましょう。
このコマンドはclear
のみで実行できます。
exit
ログアウトする場合に用います。
通常のターミナル利用では、ログアウトせずにターミナルを終了しても問題ありません。
しかし、サーバ等に接続している場合は必ずこのコマンドでログアウトしてからターミナルを終了しましょう。
このコマンドはexit
のみで実行できます。
exit
ではなく、logout
コマンドでもログアウトすることができます。
さいごに
今回の記事は以上です。
ターミナルではかなり高度な設定や操作をおこなうことができます。しかし、コマンドを一度実行してしまうと、その操作を取り消すことはできません。
rmコマンドの欄にも記載しましたが、コンピュータ中の重要なファイルを消去してしまったり、破損させてしまったりした場合は、起動しなくなる場合も起こりえます。
インターネット上では、ターミナルで実行できる様々なコマンドが紹介されていますが、どのような動作をするのか分からないコマンドは、十分に調べてから実行するようにしましょう。