フルリモート経営を行うキャスターは、東京都渋谷区の拠点を2021年6月30日付で閉鎖した。
同社は、2019年9月に本社を東京から宮崎県西都市に移転したが、その後も取材対応やメンバーのワークプレイスの選択肢のひとつとして渋谷区に拠点を設置していた。しかし、自宅で働く人が多いことや、都心にはコワーキングスペース、カフェなど働く場所の選択肢が多いこともあり、東京拠点を利用するメンバーは極めて少数だった。また、コロナ禍によりオンライン取材が増え、PR関連の利用も減少した。
採用面においても、創業時よりリモートで採用を行うフローができており、東京にオフィスがなくとも人材が集まり、全国47都道府県に住むメンバー800名以上が活躍している。総務機能も全て、本社への移管が完了しており、オフィスコストを鑑みても都心にオフィスを借りる必要性が薄れており、閉鎖に至ったという。
同社は東京拠点を閉鎖したが、地方への拠点作りには引き続き力を入れている。同社はこれまで、リモートワークを身近に感じることができる拠点のキャスタースクエアを各地に展開してきた。また、2021年3月1日には、本社がある宮崎県西都市にカフェ×コワーキングスペース「tomosite」をオープンしている。tomositeは7年間全社でリモートワークを実践してきた同社が考える快適なワークスペースを具現化しており、社内外の人が利用している。
同社は、リモートワーク環境が整っていない地方にも、tomositeのように仕事をしやすいワークスペースを展開し、社内外を問わずリモートワークをしたい働き手がどこに住んでいても地域格差の影響を受けることなく活躍できる社会を作り、地方への人の流れを創出していくとしている。