doda(デューダ)は、2021年6月の転職求人倍率をまとめた「doda 転職求人倍率レポート」を発表した。
2021年6月の転職求人倍率は、前月比+0.01ポイントの1.86倍となった。求人数は前月比105.0%、前年同月比121.8%となった。転職希望者数は前月比104.9%、前年同月比109.0%。
業種別では、「その他」を除く8業種のうち、すべての業種で求人数が前月より増加した。求人の増加率が最も高かったのは「金融」(前月比113.8%)、次いで「小売・外食」(前月比112.2%)。職種別でも、11職種すべてで求人数が前月より増加した。求人の増加率は、高い順に「事務・アシスタント系」(前月比119.5%)、「技術系(化学・食品)」(前月比110.9%)となった。
今回の調査を受けて、doda編集長 喜多恭子氏は以下のように分析している。
「6月の求人数は、前月より増加しました。前年同月比では先月に引き続き大幅に増加、コロナ前の2019年同月比で88.3%まで回復している状況です。また、前月比では、全業種・全職種で増加しています。要因として、新型コロナウイルスのワクチン接種が行き渡った後の景気回復を見据えた採用活動を開始する企業が増えたことが考えられます。中でも、製造業ではコロナ前の2019年度を上回る設備投資計画となっており、それに伴い採用を強化する企業が増えています。
この状況は、同水準への回復に約3年を要したリーマンショックとの比較では、回復が早いといえます。また、業種によって回復に乖離が見られるK字回復をしていること、さらに業種内においてもK字回復が起きている点は今回の特徴の一つです。転職希望者数も前月比で微増し、3か月連続で過去最高値を更新しました。求人倍率は、求人数の増加幅が転職希望者数のそれを上回ったため、前月より上昇しています。
7月は、ワクチン接種が行き渡った先を見据え、昨年抑制していた採用の補充目的を中心として、採用活動が活発化することが予想されます。加えて、一部の企業では、コロナウイルスの感染拡大以来抑えていた未経験歓迎求人の回復も見られることから、求人数は微増加が予想されます。一方、転職希望者数は中長期的には引き続き増加傾向ですが、7月については、コロナの感染拡大前同様に微減する見込みです」(喜多氏)