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インタビュー《人材育成》| AI人材

非エンジニアを含むグループ全社員の「AI研修」に成功 エイチームの体制づくりと現れた成果とは

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 「エンターテインメント事業」「ライフスタイルサポート事業」「EC事業」など、総合IT企業としてインターネットを軸に多様な技術領域・ビジネス領域で事業を展開する株式会社エイチーム。同社では、エンジニア・非エンジニアを問わずAIの正確な知識を学んでもらおうと、2020年からグループ全社的に「AI研修」を実施している。本稿では、同社 人事部 部長の中久木健大氏に、エンジニアだけでなく非エンジニアにもAI研修を受けてもらったねらいや社内のバックアップ体制づくり、得られた成果などについて伺った。

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中久木 健大

中久木 健大(なかくき けんた)氏
株式会社エイチーム 人事部 部長
2007年にSBヒューマンキャピタル株式会社へ新卒入社し、中途採用広告媒体営業に従事。2008年にソフトバンク株式会社に転籍し、人事キャリアをスタート。技術組織の人事担当 (HRBP) として、各種人事制度運用、子会社運営など経験。東日本大震災発生時に避難所への電波復旧プロジェクトの現地推進なども経験。その後、新卒採用担当としてエンジニア採用に従事。就労型インターンなどを導入。2016 年にエイチームへ入社し、採用や制度企画等を経て、人事企画、労務のマネジャーを歴任。現在はエイチームグループ全体の人事機能を統括。人事部は現在16名が在籍。

社長の「AIってなんだ?」から始まった

――御社では非エンジニアを対象に、AIの教育研修を実施されていると伺いました。実施の概要や始めた経緯を教えてください。

 エイチームは2020年から、非エンジニアも含めた全社員を対象(必須受講者は約800名)にAI研修を行ってきました。きっかけは社長の林(代表取締役社長 林高生氏)が、「AIとよく言うが、その中身がいま一つ具体的にイメージできない」と、AI教育カリキュラムを提供するキカガクの学習コンテンツを個人で受講してきたことでした。それでAIの具体像やメリットを理解した結果、当社もこうした正しい知識を持っておくことがIT企業として必要だと判断し、全社員に基礎教養の一つとして学んでほしいということになりました。それを受けて2020年8月から約半年をかけ、非エンジニアを含めた全社員を対象に、eラーニングのコンテンツを社内で展開していったのが始まりです。

 また当時、社長や私たちは「AIとは何なのか。それが不明確なまま、AIが世の中にバズワードとして広がっている」と感じていました。ITサービスを展開している当社としては、取引先から「これがAIです」と提示されたときに、それがどのようなAI技術かを判断できないと、真に必要なものを得られません。そうした意味でも、非エンジニアも含めて社員全員がAIについて理解し、バズワードに踊らされない知識を付けようというのが、最も大きな動機でありねらいでした。

 これまでも社長は、よく「脱ブラックボックス」ということを言ってきました。エンジニア出身なので新しい技術への関心が高く、自ら進んで受講してきたのも、自分が分からないものを学んでみたい気持ちが強かったからだと思います。その「分からないものを学ぼう」という意思も、いわばこのAI研修の出発点になっています。

――社長が社員全員で学ぼうと決定された後、そのプロジェクトを動かしていったのは、社内のどんな部署や人たちだったのですか。

 「AI WORKING GROUP」という、AIの研究開発を行う全社横断プロジェクトのメンバーが、主にAI研修を主導してくれました。まず2020年6月頃、経営や事業の意思決定に関わる部長職以上の幹部、および技術開発に関わるエンジニアなど20名がキカガクの研修を受けて、改めて基礎をしっかり習得しました。AI WORKING GROUPのメンバーはそれらの習得した知見を活かして、初期のAI研修において社内メンターの役割を担ってくれました。

 またそれと並行して、AI WORKING GROUPのメンバーが先導する中、人事や業務部門のエンジニアも後から加わって、当社独自のAI研修カリキュラムを作成しました。そうして、2020年8月からeラーニング形式で学習コンテンツを全社展開し、各人が個別に勉強できる体制を作り上げました。また、受講者のほぼ全員が、カリキュラム終了後に一斉テストを受けて、成果を検証できる効果測定の仕組みも設けています。

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この記事の著者

工藤 淳(オフィスローグ)(クドウ アツシ)

出版社や制作会社勤務の後、2003年にオフィスローグとして独立。もともと文系ながら、なぜか現在はICTビジネスライター/編集者として営業中。 得意分野はエンタープライズ系ソリューションの導入事例からタイアップなど広告系、書籍まで幅広く。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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