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人事労務事件簿 | #15

総合職(男性)と一般職(女性)の格差を違法と判断(横浜地裁 令和3年3月23日)

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 近年、総合職の女性が増えてきました。女性も貴重な人材であり、責任ある立場で積極的に働いてもらいたいという風向きでしょう。しかし、男性=総合職、女性=一般職という画一的なコース別雇用管理の名残はまだあるようです。女性は総合職として就職できず、一般職に就いた女性は総合職に移れないというのは、職務・職位上の男女差別といえます。今回紹介する訴訟も、女性だから総合職にしないという方針が招いたものです。

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1. 事件の概要

 本件は、会社(以下「A社」)に入社した女性の原告両名(以下「X」、「Y」)が、A社に対し、自らが一般職とされ、総合職である男性社員との間に賃金格差が生じていることを不服として争われた事件です。

(1)Xについて

 Xは、平成19年1月29日から同年3月31日まで、A社において紹介予定派遣として勤務し、同年4月に、A社との間で期間の定めのない雇用契約を締結して正社員となり、現在はA社総務課の一般職として勤務する女性です。労働契約の内容は概ね次のとおりです。

  • ① 期間の定め:なし
  • ② 所定労働時間:9時00分から17時30分
  • ③ 時間外労働:あり
  • ④ 職位:3級25号(給与規定11条2項の一般職)

(2)Yについて

 Yは、平成20年10月25日、A社との間で期間の定めのない雇用契約を締結して正社員となり、現在はA社生産管理課の一般職として勤務する女性です。

  • ① 期間の定め:なし
  • ② 所定労働時間:9時00分から17時30分
  • ③ 時間外労働:あり
  • ④ 職位:3級37号(給与規定11条2項の一般職)

(3)A社における、コース別人事制度導入の経緯および採用実績

 A社は、昭和53年6月に、親会社の機械本部船舶部門のサービス部門を独立させ、同社の100パーセント子会社として設立されました。

 A社においては、設立から平成11年3月までの約21年間、正社員は全て親会社からの出向者であり、同月に初めてA社独自の社員として総合職の従業員を採用し、その際に総合職および一般職によるコース別人事制度(以下「本件コース別人事制度」という)を導入しました。

 また、A社独自の一般職の従業員は、平成14年頃に初めて採用されました。設立から令和2年5月時点までの約42年間において、採用した一般職は全部で9名であり、全員が女性です。また、これまでに採用した総合職は全部で56名であり、全員が男性です。

(4)総合職と一般職との差異

 A社は、平成11年に本件コース別人事制度を導入し、基幹的業務を行う職種である総合職と、補助的業務を行う一般職に区別した上で、基本給を構成する職能給について、総合職と一般職とで異なる職能給表を適用しています。

 また、職能等級制度の各等級における最短滞留年数についても、総合職よりも一般職が長期に設定されるなど、昇格に係る取り扱いにも差異があります。

(5)機能していない職種転換制度

 A社においては、給与規定上は職種転換制度が規定され、一般職から総合職への転換につき、制度上可能としていました。

①Xの総合職への転換についての意向

 A社においては、毎年従業員が改善提案・意向調査表を作成してA社に提出し、各従業員が社長と面談していました。

 Xは、平成20年12月16日付け改善提案・意向調査表において、自ら記入した業務上の目標を変更するよう上司から指示されたところ、変更後の目標は、総合職である課長に仕事を教えることとなっていた事実を指摘し、「総合職と一般職の違いというものは何でしょうか?」と、疑問を呈しました。

 さらに、Xは、その後4回(平成23年12月、平成27年4月、平成28年3月、平成29年10月)にわたり、改善提案・意向調査表において、A社では男性でも転勤がなく、現場部門以外では性別による業務差がないにもかかわらず、女性が全員一般職であり、男性は学歴等にかかわらず全員総合職とされていることなどについて、繰り返し疑問を呈しました。

 そして、Xは、A社に対し、遅くとも平成29年10月までには、総合職への転換を希望する意向を表明していました。

②Yの総合職への転換についての意向

 Yは、平成25年4月26日付け改善提案・意向調査表において、男性であれば、転勤もなく、業務量もそれほど多くないにもかかわらず総合職とされ、女性であれば、自らの業務以外の事に一切関わらない人でも、様々な庶務を積極的に行う人でも一律に一般職として扱われることがモチベーションの低下につながる旨を指摘しました。

 そして、「前社長および前々社長にも女性総合職の導入を訴え続けてきたが、検討しているのか」と問いただしました。

 さらに、その後2回(平成26年4月、平成27年4月)にわたり、改善提案・意向調査表において、男性が総合職、女性が一般職とする扱いが男女雇用機会均等法の意図に反しており、不公平である旨などを記載し、総合職および一般職の取り扱いに対して、繰り返し疑問を呈しています。

③A社の対応

 A社は、XおよびYがこうした意向を表明したことに対し、XおよびYに総合職への転換を勧めたり、転換に必要となる具体的な要件や手続等を示したりしたことはなく、男女間に不平等が生じているとの上記各指摘について、何らかの説明ないし回答をした事実はうかがわれませんでした。

 また、Xは、平成26年12月19日頃、当時のA社の社長であるC社長との面談において、自分が総合職へ転換することが可能か否かを尋ねたことがありましたが、C社長からは、「女性に総合職はない」旨の回答がなされました。

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この記事の著者

坂本 直紀(サカモト ナオキ)

人事コンサルタント、特定社会保険労務士、中小企業診断士、坂本直紀社会保険労務士代表社員。就業規則作成・改訂、賃金制度構築、メンタルヘルス・ハラスメント対策社内研修などを実施し、会社および社員の活力と安心のサポートを理念として、コンサルティングを行う。 ホームページに多数の人事労務管理に関する情報、規定例、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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