一般社団法人人事資格認定機構(HRAI)は、組織の人事機能の健全性を世界基準で判定し認証する規格として「HRAI規格」を制定し、同機構の設立1周年を迎えた2021年11月から認定を開始する。
HRAIは、2021年1月から、世界最大手の人事プロフェッショナル組織である「SHRM(Society for Human Resource Management)」の日本における公認パートナーとして、SHRMのプログラムの日本語化ならびに日本でのSHRMクレデンシャル資格付与を行っている。
今回、同機構が制定し認定を開始するHRAI規格は、SHRMクレデンシャル資格保持者の所属組織における貢献度を推し量って可視化し、組織の人事機能の健全性を世界基準で判定し認証するもの。SHRMエッセンシャルズの6つのモジュールに基づいた設問への回答によるセルフチェック、実査による検査、フォローアップの組み合わせと、SHRMクレデンシャル資格保持者数により、「HRAIベージック」から「HRAIダイアモンド」までの4段階のレベル分けがある。
HRAI規格の6つのモジュールに基づいた検査内容は次のとおり。
- 人事とは(必要な人事部の機能と人事プロフェッショナルが存在し機能しているか?)
- 人財獲得(人事哲学に基づいた採用手法が構築・実施されバイアスを排除した公正な採用手続きが行われているか?)
- 報償制度(ジョブ評価に基づいた公正な人事考課制度と報奨制度があり、機能しているか?)
- 社員教育と育成(従業員一人ひとりと組織のゴール・成長がリンクした教育と育成のプログラムが計画・実行されているか?)
- パフォーマンスマネジメント(従業員一人ひとりにジョブディスクリプションがあり、組織のゴールに紐づいた個人のゴールが設定されて、個人のパフォーマンスが定期的に適切に評価され応報されているか?)
- 雇用法(日本法に基づいた労働法、労働安全衛生法、ダイバーシティー&インクルージョンの推進・実施、その他法令が遵守されているか?)
同機構では、HRAI規格を組織の定期健康診断と位置付けて、「人事の専門的教育+人事資格保持者+HRAI規格認定」を普及していくとしている。