マイナビは、全国の民間企業などにおいて、中途採用業務のうち「採用費用の管理・運用」に携わっている人事担当者を対象に、「中途採用状況調査(2022年版)」を実施した。
調査の概要と結果は以下のとおり。
- 調査期間:2022年1月21日~24日(スクリーニング調査・本調査)
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:従業員数3名以上の企業において、直近(2021年1~12月)に中途採用業務を担当しており、「採用費用の管理・運用」に携わっている人事担当者
- 有効回答数:1400件
まず、正社員の人手不足感について「余剰を感じる(とても感じている+感じている)」という回答は18.8%(前年比4.4ポイント増)、「不足している(とても不足している+不足している)」は47.6%(前年比14.3ポイント減)となった。2020年に比べ人手不足感は緩和しており、2021年の中途採用では適切な人員数の確保ができていると分かる。企業規模別にみると、不足感は従業員数が少ない企業ほど強い傾向にある。
職種別に見ると、「不足している」の割合が最も高いのは「ITエンジニア」で52.5%、次いで「営業」(43.2%)、「医療・福祉」(40.9%)となり、ITエンジニア職の不足感が特に強いことが分かった。一方、「余剰を感じる」の割合が最も高いのは「美容・ブライダル・ホテル・交通」で28.3%となった。企業の人手不足感は、コロナ禍2年を経る中で全体としては緩和傾向にあるが、企業規模や職種により過不足感に差が出ている。
次に、中途採用におけるマッチング満足度を調査したところ、2020年・2021年ともに中途採用を行った企業のうち、60.4%が2021年の中途採用者に満足していると回答した。業種別では、「IT・通信・インターネット」「メーカー」「不動産・建設・設備・住宅関連」で「満足」という回答が多く、特に「IT・通信・インターネット」では「前年より満足」が18.3%となり、満足度が対前年比で最も向上している。
「満足」と回答した理由を尋ねると、「働き方改革を推進したから(テレワーク・副業・兼業の認可など)」が25.3%で最も高く、次いで「Webでの面接回数を増やした」(20.8%)、「人事制度を見直した(福利厚生・評価制度など)」(19.2%)となった。反対に、不満だった理由としては「求人など募集要項を甘くした」「面接選考の基準を甘くした」「書類選考の基準を甘くした」がいずれも2割弱でトップ3となった。
選考基準を緩和するのではなく、働き方改革や人事制度など社内制度の見直しをすることが、満足度の高い中途人材の採用につながることが分かる。
2022年の中途採用の見通しについては、「経験者・未経験者ともに積極的」という回答は減少傾向にあるが、「経験者採用は積極的だが、未経験者採用は消極的」は45.9%(前年比7.9ポイント増)、「経験者採用は消極的だが、未経験者採用は積極的」は13.9%(前年比7.2ポイント増)で、いずれも2018年以降で過去最高となった。特に、経験者採用に関しては採用意欲が高いことがうかがえる。
また、「今後1年間に採用はしない」は経年で変化が少ないことからも、企業の中途採用意欲は衰えておらず、今後は求めるスキルや採用目的を明確にした活動が積極的に行われていくものと推測できる。
属性別に見ると、「Z世代の人材」「ミレニアル世代の人材」で経験者採用、未経験者採用ともに積極的な傾向が見られる。2022年の中途採用は、将来的に企業の中核を担えるような若手~中堅の人材を積極的に採用していくことが考えられる。
調査の詳細は、同社サイトにて確認できる。
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