ステラスは、企業の採用担当者ならびに20〜24歳の学生を対象に、コミュニケーション能力についてのアンケート調査を実施し、その結果を公開した。
調査概要
- タイトル:「コミュニケーション能力に対する認識」についてのアンケート
- 調査手法:インターネットを利用したオンラインリサーチ
- 調査対象:①25歳〜54歳の会社員で採用担当の方、②20歳~24歳の学生
- 回答数:①550サンプル、②314サンプル
- 調査日:2022年3月18日〜25日
- 調査地域:日本全国
同調査に当たり、ステラスは「コミュニケーション能力」と思われる20の要素をピックアップし、各項目に対して7段階の評点(1点=全くそう思わない〜4点=どちらともいえない〜7点=強くそう思う)を、企業の採用担当者、学生ともに尋ねている。
同アンケートの調査項目としてピックアップした「コミュニケーション能力」20の要素
- A:いつも心が穏やかで愛想が良く、言動や態度で相手を不快にさせない。
- B:言葉に加え、表情や目線、ジェスチャーで、内容や感情を上手に伝えることができる。
- C:発声や速度など、しゃべり方が聞き取りやすい。
- D:挨拶やお礼がきちんとできる。
- E:敬語を的確に使いこなすことができる。
- F:外国語が堪能である。
- G:聞き上手である。
- H:話す内容の要点が把握しやすく、支離滅裂にならない。
- I:どのような話題にもついていくことができる。
- J:メールや電話の返信が早い。
- K:手書きの文字がきれいで読みやすい。
- L:読みやすい文章を書くことのできる、構成力、語彙力、文法力がある。
- M:図や表、イラストなど、ビジュアルを用いてわかりやすく内容を伝えることができる。
- N:議論に打ち勝ったり、交渉を有利にまとめることができる。
- O:自分の意見を無理やり押し通すことをせず、他人の意見にもきちんと耳を傾けることができる。
- P:誰にでも物怖じせずに接したり、大勢の前でも緊張せずに話すことができる。
- Q:他人の都合やその場の状況を鑑みた行動を取ることができる。間の悪い行動をしない。
- R:嘘をついたり、隠し事をしない。
- S:集合時刻や提出期限などの決められた時間を、きちんと守ることができる。
- T:身だしなみや姿勢が整っており、清潔感がある。
調査結果
調査結果について、ステラスは「挨拶やお礼がきちんとできる」「敬語を的確に使いこなすことができる」といった“礼節に関わる項目”が採用担当者・学生ともに高いスコアをつけた一方、「集合時間や提出期限などの決められた時間を、きちんと守ることができる」「メールや電話の返信が早い」といった“集団活動内でのタイムマネジメント”に関わる項目については、採用担当者と学生間での認識のギャップが見受けられる、と分析している。
そのほか、ステラスでは調査結果について、以下のように述べている。
1. 採用担当者、学生ともに評点の平均値が高かった上位3項目は、同じ項目が挙げられる結果となった
- 挨拶やお礼がきちんとできる(採用担当者=4.86点(1位)、学生=4.95点(1位))
- 聞き上手である(採用担当者=4.82点(2位)、学生=4.79点(2位))
- 敬語を的確に使いこなすことができる(採用担当者=4.74点(3位)、学生=4.73点(3位))
上記の結果から「礼節をもって他人に接することができる」ことが、社会人におけるコミュニケーション能力として強く求められており、学生側もその重要性をよく理解している様子であるようだ。
2. 一方、採用担当者と学生間による平均値の差分が大きかった上位3項目は、以下のような結果となった
-
手書きの文字がきれいで読みやすい。
(採用担当者=4.38点、学生=4.01点、差分=0.37点) -
集合時刻や提出期限などの決められた時間を、きちんと守ることができる。
(採用担当者=4.52点、学生=4.17点、差分=0.35点) -
メールや電話の返信が早い。
(採用担当者=4.52点、学生=4.17点、差分=0.35点)
上記の結果から、採用担当者は「集団や組織内で協同活動を実施する際に求められるコミュニケーション能力」について、学生が思っている以上に評価の対象としている傾向がうかがえる。
3. 採用担当者が特に重要であると考えている(=評点の中央値・最頻値がともに5点以上であった)項目は、全20項目のうち以下の7項目だった
-
挨拶やお礼がきちんとできる。
(平均値4.86点、中央値5点、最頻値5点) -
聞き上手である。
(平均値4.82点、中央値5点、最頻値5点) -
敬語を的確に使いこなすことができる。
(平均値4.74点、中央値5点、最頻値5点) -
話す内容の要点が把握しやすく、支離滅裂にならない。
(平均値4.70点、中央値5点、最頻値5点) - どのような話題にもついていくことができる。(平均値4.62点、中央値5点、最頻値5点)
-
嘘をついたり、隠し事をしない。
(平均値4.58点、中央値5点、最頻値5点) - 発声や速度など、しゃべり方が聞き取りやすい。(平均値4.54点、中央値5点、最頻値5点)
4. 20の要素の他にも「これがコミュニケーション能力である」と思う条件や内容があるか?について採用担当者側に尋ねたところ、以下のような回答を得た
- 人によって態度を変えない、分け隔てない対応ができる。
- 目を見て話すことができる。
- NOと言える力。
- 常に冷静に対処することができる。
- 適度なユーモアを発揮できる。
なお、同アンケートの詳細は、同社のWebサイトにて配布している。
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