自立自走からビジネス創造へとつなげるには
2. 自立自走マインドの形成を促すアクティブラーニング
「専門的な領域の理解を求められるだけでなく、現場社員の教育工数をそれほどかけられない配属後研修では、新入社員が“自ら魚を釣ることのできる”自立自走マインドが求められる」と語る新田氏。その具体的な取り組みとして、5W1Hで論理的に状況整理を行い、適切な質問を作るグループワークを行った後、「ジグソー法」というアクティブラーニングの仕組みを約500名のシステムエンジニアの研修において全面導入したF社の事例を紹介した。
ジグソー法では、研修生をいくつかのグループに分け、各グループで同じ資料を読み、そこに書かれた内容や意味を話し合いながら、グループの中で理解を深めるエキスパート活動を行う。その後、それぞれ違うテーマを学んだメンバーを集めてグループを組み直し、互いの知見を教え合う。最後には、各人の知恵を結集しなければ解けない課題に取り組む。
F社では、これらの研修が進むにつれ、自立自走力が高まり、メンターへの質問数が減少傾向となる成果が得られた。また、「学びの体質」「自己解決力」「周囲との交流」に関して、研修前後で自己評価を行なった結果、すべての項目において点数が向上。自立自走力が高まったことから、サブ講師のコストを30%削減することにつながった。
3. アジャイルスクラム研修による顧客志向の醸成
これまで技術力、自立自走力を上げる研修について見てきたが、最後に新田氏が紹介したのは、セゾン情報システムズによるアジャイルスクラム研修の事例である。セゾン情報システムズでは、もともとギブリーのプログラミングやソフトウェア開発に関する3ヵ月間の基礎研修を採用していた。
しかし、「研修を通じてスキルを身に付けるだけではなく、顧客志向を育み、真のDX人材を育成したい」「研修で終わらせずに、実務へとつなげていきたい」といった要望が生まれてきたことから、4年前に研修内容を大幅に変更した。それを示したのが次図である。
具体的には、技術研修を1.5ヵ月に短縮し、残りの期間を企画から開発までを行う実践型ビジネス研修に充てた。そこではオンラインホワイトボード「miro」を活用しながら、「顧客をペルソナ化してみよう」「ペルソナの共感マップを作成しよう」といったデザイン思考やアジャイルスクラムに関するワークショップを行ったほか、身近なテーマにフォーカスした課題発見&解決に取り組んだ。
結果、研修で作成した提案が成果発表会で高い評価を受け、実際にスマートフォンアプリ「Homer」としてリリースされた。また、研修実施前後で行ったアンケートで、「価値観/行動指針に好感が持てる」「理念やビジョンに共感できる」といった項目が大幅に向上したことから、組織に対するロイヤルティの向上につながったことも明らかとなった。
このようにスキル診断テストを活用して、育成プランの“設計”から、研修・学習の“運営”、そして振り返りの“効果測定”まで、現場が喜ぶエンジニア研修を一気通貫で提供してくれるギブリーのTrack。「スキルの可視化を軸に、DX人材育成に必要な学びの環境を構築していきましょう」とメッセージを残し、新田氏は講演を締めくくった。
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