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9割の人事が「人材育成・組織開発」に取り組みたいと回答するも、人手不足など課題―ラーニングエージェンシー調べ

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 ラーニングエージェンシーは、「人事部アンケート」を実施し、その結果を発表した。

 同調査では、人事部として抱えている課題や、今後取り組みたいことなどの実態調査を実施。その結果を、従業員数が300名以下の企業(以下、「300名以下」と記載)と、301名以上の企業(以下、「301名以上」と記載)に分けて分析している。

 調査の概要は以下のとおり。

  • 調査対象者:同社サービスを活用している企業の人事責任者・人事担当者
  • 調査時期:2022年10月26日~11月30日
  • 調査方法:Webでのアンケート調査
  • サンプル数:277人

 調査の結果については、同社は以下のように述べている。

人事部として取り組みたいテーマ、従業員規模に関わらず9割の人事が「人材育成・組織開発」と回答

 まずは、人事部として取り組みたいテーマ(課題)について質問した。結果、「人材育成・組織開発」と回答した人事が9割を超える結果となった。次いで「採用」となり、300名以下は67%、301名以上は58.9%と、6割前後だった。「経営との連動性の向上」については、順位は高くないものの、301名以上では4割が取り組みたいと回答しており、300名以下と20ポイント近い差となった(図1)。

図1
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人材育成・組織開発を進める上での課題、6割超の人事が「推進メンバーの人手・時間不足」と回答

 9割以上の人事が「人材育成・組織開発」を今後取り組みたいテーマ(課題)に考えていることが分かったが、人材育成・組織開発を推進する上でどのような課題があるのだろうか。

 300名以下では、「人材育成・組織開発を推進するメンバーの人手、時間が不足している」と回答した人事が63.7%、次に「現場社員の現業が忙しく、育成に割ける時間(育成施策を受ける時間)がない」が62.1%、「部署によって育成への意識に差がある」が56.6%となった。

 301名以上では、「部署によって育成への意識に差がある」が67.4%で最も高かった。次に、「人材育成・組織開発を推進するメンバーの人手、時間が不足している」が64.2%、「現場社員の現業が忙しく、育成に割ける時間(育成施策を受ける時間)がない」が56.8%だった。

 また、従業員規模に関わらず、「人材育成・組織開発を推進するメンバーの知識が不足している」ことに半数以上の人事が課題を感じていることも明らかとなった(図2)。

図2
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半数以上の企業が「人材要件・教育体系の整備」に課題を実感

 人材育成・組織開発を推進する上での課題としては、人手や時間不足、知識不足、部署の意識の差などが挙がったが、育成環境については、どのような課題があるのだろうか。

 300名以下では、「人材要件・教育体系の整備(50.5%)」が最も高く、次いで「キャリア開発の仕組みづくり(50.0%)」となった。これらの項目は301名以上ではさらに高くなり、「キャリア開発の仕組みづくり(65.3%)」は15.3ポイント、「人材要件・教育体系の整備(56.8%)」は6.3ポイント高くなった。

 一方、「社員満足度の向上」「社員の自発的な学習ができる環境づくり」は300名以下が301名以上よりも約9ポイント高くなり、4割超が課題を感じている結果となった(図3)。

図3
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95%以上の企業がOJTを実施する中、OJT担当者による「やり方や精度のバラつき」が課題に

 次に、育成環境の一つであるOJTについて見ていく。OJTの実施の有無については、従業員規模に関わらず、どちらも95%以上の企業がOJTを実施している結果となった。高い実施率のOJTだが、実施における課題について聞いてみたところ、「OJT担当者によってOJTのやり方や精度にバラつきがある」が300名以下では68.1%、301名以上では77.9%と最も高い割合となった。

 全体的な課題感は300名以下のほうが高く、次に「OJT担当者は業務指導のみで、メンタルケアをする仕組みがない(43.4%)」「OJT担当者任せになっており、各部署内でのフォローやサポートがない(35.2%)」「OJTの全体像やゴールがわからず、場当たり的になっている(34.6%)」と続いた。300名以下の企業では、OJTの仕組みが構築されていない状況であることがうかがえる(図4)。

図4
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8割以上の企業がリスキリングに取り組めていない

 続いて、今注目が集まっている「リスキリング」について、実際にどれほどの企業が取り組み始めているか、取り組みの有無を質問した。

 結果、リスキリングに取り組んでいる企業は、300名以下では12.6%、301名以上では17.9%となった。まだまだ取り組みが進んでいない状況であることが分かった(図5)。

図5
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 では、取り組んでいる企業は、実際どのようなテーマのリスキリングに取り組んでいるのだろうか。

 300名以下では「デジタルリテラシー全般(52.2%)」が最も高く、次いで「DXに関する知識(47.8%)」、301名以上では逆転し、「DXに関する知識(58.8%)」、次いで「デジタルリテラシー全般(47.1%)」となった。301名以上の企業では、「汎用的なビジネススキル」や「プロジェクトマネジメント」のリスキリングも進められており、DXだけでなく幅広い分野にて実施されている状況がみられた(図6)。

図6
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 一方、まだリスキリングに取り組んでいない企業は、現場の社員にどのようなスキルを習得させたいと考えているのだろうか。

 300名以下では「プロジェクトマネジメント」が43.4%と、301名以上よりも13.9ポイント高くなった。301名以上では、「DXに関する知識」「デジタルリテラシー全般」が50.0%となり、300名以下よりも約20ポイントも高い結果となった。また、「汎用的なビジネススキル(29.5%)」や「OAスキル(20.5%)」も300名以下よりも10ポイント以上高かった(図7)。

図7
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人事部が興味のあるテーマ、300名以下は「採用」「離職防止」「教育研修体系構築」、301名以上は「離職防止」「従業員エンゲージメント向上」「キャリア開発」と違いが出る結果に

 最後に、人事部が今どのようなテーマに興味を持っているかを見ていく。

 300名以下では、「採用」が64.3%と最も高い割合となり、続いて「離職防止」が61.0%、「教育研修体系の構築・運用」が57.1%となった。301名以上では、「離職防止」が62.1%と最も高い割合となり、次に「従業員エンゲージメント向上」が61.1%、「キャリア開発」が56.8%と続いた。

 301名以上の企業においては、人的資本経営が叫ばれる中、その実現に近しいテーマに関心が集まっていることが推察できる(図8)。

図8
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労務管理から戦略人事、日常業務からキャリアパス、HRテクノロジーまで、人事部や人事に関わる皆様に役立つ記事(ノウハウ、事例など)やニュースを提供しています。

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