ガイアックスは、三井住友海上火災保険と共同で、DAO[1]を活用した新たな採用プロセス「採用DAO」を構築したと発表した。これにより採用活動の透明性や公平性を高め、採用活動の中で「共感」を生み出し、ギャップやミスマッチが発生しない採用活動を行うという。
注
[1]: Decentralized Autonomous Organization(分散型自律組織)の略称。組織体制とは異なり、中央管理者(いわゆる上司)がおらず、組織メンバーの投票などによって意思決定がなされる。そのすべての活動や履歴がブロックチェーン上に保存され、可視化されることも特徴。
採用DAOでは、三井住友海上のビジネスデザイン部にて組成したDAO組織にて、現場社員約5名、就職活動生5名(想定)が参加し、約1ヵ月間のプロジェクトに取り組む。参加メンバーは、DAO内で意見やアイデアを出し合い、参加者全員による投票によって意思決定を重ねてワークを進めていく。
学生を含む参加者全員が、ワークの過程におけるDAO内の活動(発言・作業・アイデア)に対して「いいね!」を送り合える。「いいね!」の数はトークン化し、プロジェクト終了時に、参加メンバーが保有するトークンの量によって評価が決まる仕組み。プロジェクトで高評価を得た学生は、2024年6月以降に面談を行い入社の意思を確認、内定となる。
選考の基準や評価など、学生にとって不透明さを感じさせる従来の選考方法とは異なり、DAO内での活動や発言、組織への貢献度はすべて可視化され、最終的に保有するトークンの量によって評価が決まるため、自身の評価された点やそのプロセスが明確であり、高い透明性を確保できる。
また、学生を含むDAOの参加者全員による共同作業によって、それぞれの学生の評価が確定するプロセスは、参加学生の「共感」を生みやすい点で従来の選考方法とは異なると同社は述べている。
なお、採用DAOの参加に際しては、従来のインターンシップへの応募のように「エントリーシート」を提出するのではなく、大学名や住所・顔写真の登録は不要とし、本人の趣味や創造力を推し量るアンケートの提出のみで応募可能。
同プロジェクトは、10月5日から参加学生を募集し、11月1日にキックオフイベントを予定している。
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