やるべきこと① 人事部で責任を持つ(と覚悟を決める)
上記のように、戦略人事をうまく実現させることのできる組織体制として、「経営に根付いた採用計画があり、入社後の貢献まで責任範囲が明確になっている」ことがあげられます。
人事の方が、「とりあえず人数は採用できました」では、当然経営に基づいて判断しているとは言えません。
「〇〇事業部の〇〇という課題に対して、〇〇な人を〇人」と人事が言える状態をつくる。つくれなくても、人事が主導で採用計画を進める、と腹を決めること。これがまずはスタートになります。
やるべきこと② 自社の優位性と問題点の確認
通常営業部では行うことが多いと思いますが、人事部が採用責任を持つ以上、客観的に自社の優位性と問題点を認識することは必須条件になります。そのため、
- SWOT分析
- PEST分析
- バリューポートフォリオ
などを用いて、ベンチマークしている企業との優位性はどこかをしっかり考えていくことが大切です。
また、採用計画を立てるにあたっては、次の点を考慮します。
- 自社の強みを伸ばす人材を採用するのか
- 自社の弱みを補う人材を採用するのか
基本的な部分ですが、上記だけでも、相当採用の方向性と求めるミッションは変わってくるはずです。
やるべきこと③ ペルソナ設計
ペルソナとは「もっとも重要で象徴的なモデル」のことです。たとえ履歴書に過去の実績がわんさかのっていても、今後自社で伸ばしていきたいビジネスとの親和性や、自社のカルチャーにフィットしなければ、ミスマッチになってしまいます。
ペルソナを設計するためにはパレートの法則など様々な手法が存在しますが、人事部で作成すべき内容としては、下記のようなことが最低限必要になると考えられます。
- 業務のイメージ
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- どんなポジションでどんな仕事をしているのか
- 周りに対してはどんな影響力を持っていてほしいか
- キャリアビジョンを立てることができるか
- 属性のイメージ
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- 部署の平均年齢に対して何歳くらいが妥当か
- 家族構成や住所の条件
- カルチャーのイメージ
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- 趣味はどんなことをしているのか
- 休みの日の過ごし方
- お酒は飲んでいるかどうか
いきなり設計が難しいようであれば、まずは「既存社員の分析」を行ってみましょう。「業績を上げているトッププレイヤー」や「長く定着している社員」の業務遂行方法や属性、カルチャーを分析することで、おのずと自社にフィットしたペルソナがみえてくるはずです。
今後ますます「人材採用」が担うべき役割は大きくなっていきます。早急に変革が必要になった際に、高速でPDCAをまわせるように、まずはプラットフォームをつくっておくことが大切ですね。