HRテクノロジーコンソーシアムは、HR総研およびMS&ADインターリスク総研と共同で、「人的資本調査2023」を実施。その中の、「全体的に取り組みレベルに課題がある項目」について発表した。
「取り組みレベルに課題がある項目」は3つ見られた。1つ目は、「人事システムの統合的管理」だ。9割近くの企業で、人事の複数領域にまたがるデータを効率的に連携できていないことが分かった。同調査の多くの項目では、前回調査に比べて取り組みの水準が向上しているが、同設問では前回調査からほとんど変わらない回答分布となっている。
2つ目は、「人的資本に係る取り組みと財務指標との関連性の整理」であった。7割近くの企業で、人的資本の取り組みと財務指標の関連を検討できておらず、8割以上の企業で関連性の分析ができていない状況となっている。人的資本の取り組みが企業価値向上につながることをデータに基づいて検証できている企業はまだ少数だといえる。
3つ目は、「社内の優秀人材が重視する指標や取り組みの開示」。8割近くの企業で、優秀人材が重視する指標や取り組みについて、従業員に数値データで開示できていないことが分かった。従業員のエンゲージメント向上のためにも、従業員向けの開示を今後充実させていく必要があることが示唆される結果となった。
なお、同調査の概要は次のとおり。全体分析レポートの本編は、HRproの結果報告ページより確認できる。
- アンケート名称:人的資本調査2023
- 調査期間:2023年9月11日~12月15日
- 有効回答:233件(上場企業、非上場企業を含むすべての企業・団体)
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