ニッスイは、2017年度より着手している健康経営について、2024年度の取り組み計画を発表した。
2024年度は、グループ全体で健康経営の拡充に注力するという。昨年度は、グループ各社がそれぞれ健康目標を定めて取り組み、7社が「健康優良法人2024」(うち1社は「ブライト500」)に選定された。本年度はさらにグループ内の連携を密にして好事例を共有し、グループ全体としての健康経営へ取り組んでいく。
また、ニッスイにおいても、引き続き諸施策を展開する。人的資本の低減要因には体や心の病気、ケガなどがあるが、それらの指標として、同社では「身体的な疾病リスク」「プレゼンティーイズム(なんらかの理由でパフォーマンスが低下している状態)」「アブセンティーイズム(心身の不調により就業ができない状態)」に着目。パフォーマンスの低下は、高ストレスや仕事への不満足などの心理的要因の影響度が高く、結果、メンタルヘルス不調によって長期休業に至ることもあるという。
詳しい取り組みは次のとおり。
メンタルヘルス対策
- メンタルヘルスの不調を未然に防ぐ1次予防を最も重視し、ストレスチェックによるストレスの把握をはじめ、エンゲージメント調査と連携して高ストレス部署への状況確認や指導を行い、マネジメント層への教育研修を通して職場環境改善を図る
- 重症化を防止する2次予防として、保健師による面談の実施、外部の従業員支援サービスによるケアプログラムの活用推進、高ストレス、ストレス要注意者の相談窓口の利用を促進する
- 職場復帰の段階では、休暇制度や復職支援によるサポート利用を促進する
生活習慣の改善
パフォーマンス低下を防ぐため、生活習慣の改善として以下を提唱する。
- 1日8000歩以上の運動
- 禁煙
- 週2回以上の禁酒
- 6時間以上の睡眠と規則正しい生活リズム
- 朝食の摂取
- EPAの摂取や魚食
がん対策
- 女性検診や線虫によるがん検診の受診率を向上させ、要精密検査となった場合の追加検査費用を補助する
- 経営層や管理職層の禁煙を促進し、事業所ごとに受動喫煙の防止について再周知を図るなど、喫煙者に対して喫煙による健康被害や禁煙サポート策を周知する
- 35歳以上を対象に隔年で腹部エコー検査を実施しているが、がんの早期発見の一助として毎年実施に変更する
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