パーソルキャリアは、同社が運営する転職サービス「doda」にて、「転職したい会社」を調査した。
転職したい企業は、5年連続「トヨタ自動車」が1位
2024年の転職人気企業総合ランキングは、5年連続で1位「トヨタ自動車」、2位「Google(以下、グーグル)」、3位「ソニー」となった。
1位のトヨタ自動車は、総合ランキングを含めた全33の調査区分のうち、18区分で1位となった。投票理由には、「教育システムが整っていて、自分に合った役割や能力を引き出してくれそう」「グローバル企業なので、世界で活躍してみたい」などが挙げられている。
2位のグーグルは、前回の3862ポイントから4066ポイントへと伸ばし、約1600ポイントあったトヨタ自動車との差を約1000ポイントに縮めている。投票理由では、「AIを用いて次世代の技術研究開発者を目指したい」「技術力に秀でている。AI関連でOpenAIと競える」など、AIに関連する声が寄せられた。
3位の「ソニー」も、安定した人気をキープしている。4位の「楽天グループ」と5位の「パナソニック」も前回から順位の変動はなく、6位から10位については、順位の変動はあったものの、企業の顔ぶれには変化がなかった。
7%賃上げの「イオン」が、順位を大幅アップ
トップ30に入った企業の変動を見てみると、「イオン」が前回の40位から27位へと順位を伸ばした。同社は、グループのパート社員約40万人に対して7%の賃上げを行うと発表し、2年連続で高水準の賃上げに踏み切ったほか、業績も好調で、2025年2月期の連結営業収益は初の10兆円に到達する見通しを発表している。投票理由では、「社員を大切にしていそう」「経営が安定しているから」と、その将来性を評価する声が寄せられた。
トップ30に入った商社は、「三菱商事」(前回16位→15位)、「伊藤忠商事」(前回23位→16位)、「三井物産」(前回31位→28位)と、いずれも順位を伸ばす結果に。伊藤忠商事は男性の育児休業の取得必須化、三井物産は転勤可否を選べる人事制度の導入といった、柔軟な働き方への取り組みが注目されてる。
なお、トップ30に入った企業で最も多かった業種は、「メーカー(機械・電気)」の6社で、次いで、「IT・通信」の5社、「インターネット・広告・メディア」「メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)」が4社と続いた。
インパクトのあるニュースが、順位を押し上げた要因の1つか
100位以内の企業のうち、前回調査から順位を50位以上伸ばしたのは、「ニトリ」(前回113位→41位)、「TOTO」(前回193位→48位)、「TOPPANホールディングス(旧:凸版印刷)」(前回197位→63位)、「コストコホールセールジャパン」(前回161位→72位)、「ベネッセコーポレーション」(前回172位→91位)、「阪急電鉄」(前回181位→93位)、「バンダイナムコホールディングス」(前回185位→96位)、「ファナック」(前回176位→97位)の9社であった。
これら企業の多くに共通するのが、インパクトのあるニュースがあったことだと同社は述べている。たとえば、ニトリは増収増益の連続記録が話題となり、TOPPANホールディングスは持株会社体制への移行に当たって社名変更を行い、テレビCMを始めとした認知向上のための施策を展開している。
「NASA」や「サンリオ」が、圏外からランクイン
前回圏外から100位以内に入ったのは、「サンリオ」(85位)、「アメリカ航空宇宙局(NASA)」(91位)、「日本赤十字社」(95位)の計2社・1機関であった。
NASAには、「最先端技術に触れることができそうだから」「人類の未知の領域に挑戦できるから」といった投票理由が寄せられた。また、宇宙産業では、2024年1月に日本の無人探査機「SLIM」が世界で5ヵ国目となる月面への着陸に成功したほか、翌月には、史上初めて民間企業が開発した着陸船が月面着陸を果たすなど、大きなニュースが続いている。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 対象者:22歳~59歳の男女
- 雇用形態:正社員
- 調査手法:ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
- 調査期間:2024年2月14日~20日
- 調査方法:投票者が転職を希望する企業を、自由形式で1位から3位まで記入。持ち点10ポイントの中から、それぞれの企業への志望度合いに応じて、自由にポイントを振り分ける
- 回答人数:5062人
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