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イベントレポート《障がい者雇用》| 発達障害の人の活躍

発達障害がある人も活きる「インクルーシブ」な職場を実現する3つのアクションとは?

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 近年、ダイバーシティ・インクルージョンに取り組む企業が増えている。しかし、発達障害を持つ人材などを活かす(=インクルージョン)となると、具体的なアクションに悩む企業も多いのではないだろうか。そうした中、5月28日に公益財団法人 日本ケアフィット共育機構では、人材の多様な違いを組織の変革につなげる新資格「インクルーシブ・コミュニケーター」の開講記念として「半径5mから始める多様な人が活躍する組織変革」をテーマにセミナーを開催。同資格の監修者である東京大学先端科学技術研究センター近藤武夫教授が登壇し、発達障害のある人が働く職場で発生しうる課題やその要因、解決の糸口を語った。本稿では日本ケアフィット共育機構の佐藤がその模様をレポートする。

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近藤 武夫氏

近藤 武夫(こんどう たけお)氏

東京大学先端科学技術研究センター 教授

東京大学先端科学技術研究センター 社会包摂システム分野・教授。博士(心理学)。インクルーシブな教育と雇用が専門領域。広島大学教育学研究科助教、米国ワシントン大学DO-IT Center客員研究員を経て現職。多様な障害のある人々を対象に、教育や雇用場面での支援に役立つテクノロジー活用や合理的配慮、修学・雇用制度の設計と地域実装に関する研究を行っている。

職場の半径5mにある課題とは?

 障害の有無にかかわらず、職場において働く人が抱える不安や悩みにはそもそもどのようなものがあるのだろうか。厚生労働省の「令和4年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、上位には以下の4つが挙げられている。

  1. 「仕事の量」で量的な負担
  2. 「仕事の失敗・責任の発生」
  3. 「仕事の質」で質的な負担
  4. 「対人関係」

 ここに挙げられている悩みは誰もが経験したことがあるだろう。しかし、「こうした悩みが一部の人に集中する場合がある」と近藤教授は指摘する。その影響を受けやすいのが、障害のある人々だ。

 さらに近藤教授は、障害の中でも「見えない障害」を持つ人が多いことを指摘する。ここでいう「見えない障害」とは、自閉スペクトラム症をはじめとする、いわゆる「発達障害」だ。発達障害は広汎性発達障害とも呼ばれ、実はその発生率が高い。気づくのが大人になってからという方も多くおり、30代・40代になってから職場との不適応でうつ病になり、精神科の医師から「発達障害の中のこういうような特性がありますよ」と言われてはじめて、これまでの「悩み」や「違和感」の原因の1つであったことに気づくというケースがあるという。

 「つまり、障害者は自分と関係ない、どこかにいる方々だということではないのです。我々自身もその特性を持っている可能性があって、環境との不適応や困難に直面したときに、その相互作用で自分の中の障害の特性に気づくことがあり得るのです」(近藤教授)

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この記事の著者

佐藤 雄一郎(サトウ ユウイチロウ)

公益財団法人日本ケアフィット共育機構 経営企画室室長。2014年公益財団法人日本ケアフィット共育機構入構。年間1万人近く受講する"サービス介助士"の講習運営に携わる中で、ダイバーシティ&インクルージョンに関わる企業や障害当事者とのネットワークを広げ、企業の垣根を超えたコラボレーションや事業者と障害当...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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