ABABAは、23卒と24卒(予定)の就職活動経験者(以下、子世代)と、その世代の子どもを持つ親(以下、親世代)を対象に、就職活動に関する意識調査を行った。
就職活動への関与に対する意識
子世代に対し、親の関与についての希望を聞いたところ、「就活状況について把握し、サポートしてほしい」が51.7%と半数以上が回答した。一方で、「就活には関わらないでほしい」も48.3%と半数近い回答があり、親のサポートを求める人と自分の力で行いたい人で半々となった。
親世代に対し、子どもの就職活動への関与度を聞いたところ、「関与したい」が51.3%と半数以上が回答。一方、「関与せず、子どもの意思に任せたい」も48.7%と半数近い結果となり、子世代の意識とほぼ同じ割合となった。
関与されたい子世代・関与したい親世代の意識
サポートしてほしいと回答した子世代にその理由を聞いたところ、「自分1人で決断するのは不安」が58.7%と最も多く、次いで「アドバイスをもらって背中を押してほしい」が54.2%と続いた。自分の力だけでは心細いと感じる子世代が多いことが予想できる。
同様に、サポートしたいと回答した親世代にその理由を聞いたところ、「子どもの考え、意思を知っておきたいから」が63.0%と最多となり、次いで「子どもがどんな企業を受けているのか知っておきたいから」が48.1%となった。親の心情として、子どもの気持ちや行動を知っておきたいという傾向が見受けられた。
また、「子どもだけで行う就職活動では不安だから」が33.8%、「ブラック企業に就職してしまうかもしれない不安があるから」が24.0%と続き、勤め先の選定や就職後の心配をする意見が集まった。
就職活動への関与の仕方
サポートしてほしいと回答した子世代に対し、親に協力してほしい内容を聞いたところ、「企業が行う就活説明会や講座に参加してほしい」が36.8%と最も多く、次いで「大学の就職説明会や講座に参加してほしい」が35.5%、「自身が通う大学の保護者面談や三者面談に参加してほしい」が32.3%と続いた。
サポートしたいと回答した親世代に対し、関与したい内容を聞いたところ、「今の就活の事情を学ぶため、子どもが通う大学の就職説明会や講座に参加したい」が38.3%と最多となり、次いで「子どもの就職先を調べるため、企業が行う就活説明会や講座に参加したい」が33.8%、「子どもが通う大学で保護者面談や三者面談に参加したい」が29.2%と続いた。子どもの就職活動を成功させるために、積極的にバックアップしたい姿勢がうかがえる。
就職活動の援助
サポートしてほしいと回答した子世代に対し、援助してほしいことを聞いたところ、「リクルートスーツ購入費用」が49.7%と最も多く、次いで「選考会場への送迎」が34.2%、「面接の練習相手」が33.6%と続いた。
サポートしたいと回答した親世代に対して、就活を援助するために支払える金額を尋ねたところ、「10万円以上~20万円未満」が27.9%と最多となり、次いで「20万円以上~30万円未満」が22.1%、「10万円未満」が20.8%と続いた。なお、「資金的な援助はない」は14.3%と最も少ない結果となった。
関与されたくない子世代・関与したくない親世代の意識
一方、就活には関わらないでほしいと回答した子世代に対し、その理由を聞いたところ、「自分の就職先は自分で決めたいから」が44.1%と半数近くが回答し、次に「親に決めてもらうようで恥ずかしいから」が24.8%と続いた。
就活は子どもの意思に任せたいと回答した親世代に対し、その理由を聞いたところ、「自分のことは自分で決めてほしいから」が74.7%と最も多く、次いで「子どもに自立してほしいから」が32.2%と続き、自立した社会人になってほしいと願っていることがうかがえる。
就職先に対する子世代と親世代の意識
子世代全員に対し、就職先について親への意識を聞いたところ、「親の考えは意識せず、自身が就職したいと選んだ企業であれば、収入・安定性・業務量などに懸念を感じるスタートアップ企業やベンチャー企業でも就職したい」が44.0%と最多となり、就職先に対する選択肢の自由を望む子世代が多くいることが分かった。
また、「親に心配かけないよう、経営が安定し、十分な給与や待遇がある企業に就職したい」が42.3%、「親に心配をかけないよう、長く勤められる会社に就職したい」が37.7%と、親に対して配慮する子世代も多く見られた。
親世代の対象者全員に対し、子どもの就職先の希望を聞いたところ、「経営が安定し、十分な給与や待遇がある企業に就職してほしい」が56.3%と最も多く、次いで「できるだけ転職はせずに長く勤められる企業に就職してほしい」が41.7%、「基本的には子どもの意思を尊重するが、ブラック企業と思われる会社には就職しないでほしい」が39.7%と続いた。
一方で、「子どもが自分の意思で選んだ企業であれば、どんな企業でも構わない」は28.3%と最も少なく、ある程度子どもの意思を尊重しつつも、本音としては就職先に安定を願っていることが分かった。
転職に対する子世代と親世代の意識
子世代に転職への意識を尋ねたところ、「できれば1社に長く勤めたい」が56.7%、「キャリアアップのために転職する可能性は考えている」が43.3%となった。
同様に、親世代へ子どもの転職への意識を聞いたところ、「できれば1社に長く勤めてほしい」が53.3%、「キャリアアップのため転職を視野に入れることは賛成」が46.7%と、子世代と親世代の意見はほぼ一致した。
就職後の住まいについて
子世代に就職後の住まいについて聞いたところ、「勤務場所に関わらず1人暮らしがしたい」が27.3%と最も多く、次いで「実家から通いたい」が24.0%、「必要であれば、実家から遠い場所でも1人暮らしをする」が20.0%と続いた。
同じく、親世代に子どもの就職後の住まいについて聞いたところ、「勤務場所に合わせて自由に決めてほしい」が37.0%と最多となり、続く「実家から通ってほしい」の17.7%と20ポイント近い差をつけた。
なお、調査の概要は次のとおり。
-
調査対象:
- 23卒と24卒(予定)の就職活動経験者300名
- 23卒と24卒(予定)の就職活動経験者の子どもを持つ親300名
- 調査機関:ABABA
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2024年8月14日~24日
- 有効回答数:600名(子世代300名、親世代300名)
【関連記事】
・求職中のZ世代のうち、5割が「SNSのショート動画」から志望企業になった経験あり—よつば制作所調べ
・中小企業向け採用コンサルサービス「SAMURAI」を提供開始 アリカタと提携し—チームフォワード
・26卒の7割がタイパ重視で「就職情報サイト」を活用 「効率良く情報収集ができると思う」の声—学情調べ