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特別寄稿《組織やチームの編成・運営》| DE&I

DE&Iは組織の持続可能性と競争力を高める戦略的アプローチ 先立つ組織状態の可視化における3ポイント

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 企業はDE&Iの取り組みについて多くの悩みを抱えている。DE&Iの問題や意義は組織内で共有しにくいからだ。そこで公益財団法人日本ケアフィット共育機構では、インクルージョンと組織変革の課題を可視化するサーベイ「IX診断」をリリースした記念として、2024年9月10日に「インクルーシブな組織変革に必要なこと」をテーマにウェビナーを開催。本記事では同ウェビナーで行われた、IX診断共同開発責任者である東京大学大学院 教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センターの星加良司教授による講演「組織変革の鍵としてのDE&I—『問題』の解像度を上げる視点と手法—」についてレポートする。

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星加 良司氏

星加 良司(ほしか りょうじ)氏

東京大学大学院 教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター 教授

2005年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。東京大学先端科学技術研究センター リサーチフェロー、特任助教を経て、2009年東京大学大学院 教育学研究科バリアフリー教育開発研究センター 講師に就任。2022年より現職。障害者を無力化する社会的な諸関係・諸編成に関する研究を行っており、近年の主な研究テーマは、ディスアビリティの社会モデルに基づく社会理論、障害者のシティズンシップと社会的位置、障害平等施策としての合理的配慮、社会的包摂のためのバリアフリー教育など。公益財団法人日本ケアフィット共育機構「IX診断」共同開発責任者。

DE&Iの歴史的背景

 近年、企業経営において「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)」に注目が集まっている。セミナー冒頭では、星加教授はDE&Iの歴史的背景について説明した。

 「そもそも、ダイバーシティやインクルージョンという言葉は1960年代から70年代にかけて、特にアメリカの公民権運動の中で使われるようになりました。社会的マイノリティ、つまり社会の中で十分に活躍の機会を与えられてこなかった、もっといえば、分離されたり隔離されたりして社会に参加することが許されてこなかった方々が、平等な、あるいは公正な機会・権利の保障を求めて、さまざまな主張や要求を展開してきたというムーブメントの中で使われてきました」(星加教授)

 1990年代に入ると、D&Iという言葉が企業の中で使われるようになったという。つまり、D&Iは多様性を単なる社会正義の問題としてだけでなく、組織運営の戦略的手法として捉え直されるようになったのだ。

 「1990年代以降に入ると、アメリカやヨーロッパで“ダイバーシティマネジメント”と呼ばれるマネジメント手法が注目されるようになります。それまでD&Iはマイノリティの権利保障を中核的な理念として展開されてきましたが、それをさらに1歩進めて、組織や集団にとってのメリット、つまりパフォーマンス・生産性向上のための源泉としてD&Iが捉えられるようになってきました。

 また、単にダイバーシティマネジメントを行うだけではなく、もともとD&Iの概念に含まれていた『平等性』や『公平性』を確保するというアプローチも取らなければ、組織や集団のパフォーマンス向上につながっていかないということも発見されてきた歴史があります。こうした流れを受け、今日ではダイバーシティとインクルージョンにエクイティという観点を入れた『DE&I』という3本柱がスタンダードになっています」(星加教授)

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この記事の著者

佐藤 雄一郎(サトウ ユウイチロウ)

公益財団法人日本ケアフィット共育機構 経営企画室室長。2014年公益財団法人日本ケアフィット共育機構入構。年間1万人近く受講する"サービス介助士"の講習運営に携わる中で、ダイバーシティ&インクルージョンに関わる企業や障害当事者とのネットワークを広げ、企業の垣根を超えたコラボレーションや事業者と障害当...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://hrzine.jp/article/detail/6222 2024/11/27 08:00

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