新入社員の約6割が「今の会社で働き続けたい」　12年間で最大の割合—ALL DIFFERENT調べ

　ALL DIFFERENTおよびラーニングイノベーション総合研究所は、2025年度入社の新入社員を対象に「新入社員意識調査」を行った。

「今の会社で働き続けたい」と65.4％が回答し、12年間で最大の割合

　2025年度の新入社員に対し、今の会社で働き続けたいか質問した結果、「できれば今の会社で働き続けたい」は65.4％と最も高い割合となった。そのほか、「そのうち転職したい」は13.2％、「いつかは起業したい」は3.5％、「フリーランスとして独立したい」は1.7％、「家庭に入りたい」は1.4％となり、離職を視野に入れている新入社員が約2割いることが分かった。

　次に、この設問について、2014年度から12年間の回答結果を比較したところ、「できれば今の会社で働き続けたい」と回答した割合は、2019年度に全体の半数まで減少しているが、それ以降は増加傾向にあり、2025年度は過去最大の割合となった。

今後取り組みたい仕事は「楽しくてやりがいのある仕事」が最多

　前問で「できれば今の会社で働き続けたい」と回答した人を「勤続意向者」、「そのうち転職したい」「いつかは起業したい」「フリーランスとして独立したい」「家庭に入りたい」と回答した人を「離職意向者」と分類し、分析した。

　今後どのような仕事をしていきたいかと質問したところ、「勤続意向者」「離職意向者」どちらも、「楽しくてやりがいのある仕事」と回答した割合が他項目より突出した。次に、「自身の成長につながる仕事」が「勤続意向者」は41.4％、「離職意向者」は41.6％と続いている。

　回答割合の差に注目すると、「勤続意向者」は「離職意向者」よりも「チーム一丸となって取り組む仕事」が11.9ポイント、「楽しくてやりがいのある仕事」が5.2ポイント高くなった。一方、「離職意向者」は「勤続意向者」よりも「成果次第で給与が上がる仕事」が7.4ポイント、「自分のペースでやり切れる仕事」が6.5ポイント高くなっている。

今の会社で働き続けたい条件「職場の人間関係」「高い給与・賞与」が6割超

　新入社員が今の会社で働き続けたいと思う条件を聞いたところ、「職場の人間関係が良い」が65.7％で最も多く、次いで「高い給与・賞与をもらえる」が62.2％と続き、この2つの項目が6割を超える結果となった。

　性別で比較した結果、男性のトップは「高い給与・賞与をもらえる」が65.4％、次に「職場の人間関係が良い」が60.0％と続く。一方、女性のトップは「職場の人間関係が良い」が73.5％、次に「高い給与・賞与をもらえる」が57.9％と続いた。

　男性・女性の割合を比較すると、男性は「業績が安定している」と回答した割合が女性よりも6.0ポイント高く、女性は「頑張りを認めてもらえる」と回答した割合が男性よりも7.0ポイント高くなった。

　新入社員が今の会社で働き続けたいと思う条件について、2020年度から6年間、各年度の回答結果と比較すると、「職場の人間関係が良い」と回答した割合が全年度6割を超え、トップを維持していた。

　年度別に変化があった項目は、「高い給与・賞与をもらえる」と回答した割合で、2020年度は51.5％のところ、徐々に増加し2025年度は6割を超えている。一方、「仕事を通じて成長できる」と回答した割合は、2020年度は45.4％のところ、2025年度は33.5％に減少した。

長く働きたい会社の雰囲気・文化は「互いに協力し合い、チームワークを重視」が7割

　どんな雰囲気・文化の会社だと、長く働きたいと思うか質問したところ、「互いに協力し合い、チームワークを重視する文化がある」が72.8％で最も多い結果となった。

　なお、調査の概要は次のとおり。

• 調査対象者：同社が提供する新入社員研修に参加した 2025年度入社の新入社員
• 調査時期：2025年3月25日～4月24日
• 調査方法：Web・マークシート記入式、または自記式でのアンケート調査
• サンプル数：3933人
• 属性：
  1. 業種：
     • 農業,林業　8人（0.2％）
     • 鉱業,採石業,砂利採取業　4人（0.1％）
     • 建設業　245人（6.2％）
     • 製造業　580人（14.7％）
     • 電気・ガス・熱供給・水道業　59人（1.5％）
     • 情報通信業　828人（21.1％）
     • 運輸業,郵便業　85人（2.2％）
     • 卸売業,小売業　262人（6.7％）
     • 金融業,保険業　259人（6.6％）
     • 不動産業,物品賃貸業　162人（4.1％）
     • 学術研究,専門・技術サービス業　217人（5.5％）
     • 宿泊業,飲食サービス業　34人（0.9％）
     • 生活関連サービス業,娯楽業　95人（2.4％）
     • 教育,学習支援業　38人（1.0％）
     • 医療,福祉　61人（1.6％）
     • 複合サービス事業　138人（3.5％）
     • サービス業（ほかに分類されないもの）　350人（8.9％）
     • 公務　3人（0.1％）
     • その他　401人（10.2％）
     • 分からない　101人（2.6％）
     • BLANK　3人（0.1％）
  2. 企業規模：
     • 50人以下企業　201人（5.1％）
     • 51人～100人企業　567人（14.4％）
     • 101人～300人企業　1389人（35.3％）
     • 301人～1000人企業　590人（15.0％）
     • 1001人～5000人企業　660人（16.8％）
     • 5001人以上企業　305人（7.8％）
     • 分からない　217人（5.5％）
     • BLANK　4人（0.1％）

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