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特別寄稿《人材採用》| AI面接

進化を続ける「AI面接」の現在地 日本における期待・実態と海外の動向

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AI面接に関する世界の動き

 先述したAI面接のメリットについては、諸外国でも同様の指摘がなされています。ツール開発や導入は日本以上に進んでいると見られ、またそれと同時に、法規制の整備も進んでいます。ここでは欧米と中国の状況を紹介します。

欧米におけるAI面接ツールの例

 欧米における主なAI面接ツールには、以下のものが挙げられます。また、これら以外にも多くのツールで他のHRプラットフォームや採用管理システム(ATS)との連携がなされており、面接のみならず採用プロセス全体を統合・効率化するための手当てが進んでいる点も指摘できます。

HireVue

 録画型またはリアルタイムでの面接が可能なデジタル面接プラットフォームで、AIによる候補者評価、プログラミングなどのスキル検証といった機能も提供されています。アメリカで開発されたツールで、世界的に高いシェアを持ち、日本でも大手企業を中心に多数の導入実績があります。

VidCruiter

 HireVueと同様に録画型またはリアルタイムでの面接が可能なプラットフォームで、カナダの企業によって開発されています。AIによる候補者評価、スキル検証のほか、自動でリファレンスチェックを行う機能も提供されています。

MyInterview

 シドニー、ロンドン、テルアビブに拠点を置く企業によるツールで、録画面接やAIによるスクリーニングのほか、AIチャットボットの提供もあり、幅広く採用プロセスの効率化を図ります。比較的安価であることからスタートアップ企業や中小企業に適しているとの指摘もあります。

Interviewer.AI

 AIが履歴書や録画された面接を分析して候補者を評価する機能を持ち、面接のみでなく、採用プロセス全体を支援するプラットフォームとして設計されています。開発企業はシンガポールに拠点を置く企業ですが、世界の主なAI面接ツールの1つとして挙げられる例も見られます。

欧米における規制

 AIに関し、EUでは包括的な規制が、アメリカでは州・市のレベルで具体的な規制があり、AI面接を含むAIを活用した採用ツールの開発・利用には、これらの法規制への準拠が不可欠となっています。

EUの規制

 EUでは、AIに関する包括的な規制である「AI Act」が2024年5月に成立、8月に発効しており、順次施行されていくこととなっています。

 AI Actでは、AIが4つのリスクレベルに分類され、各レベルに応じた規制が定められています。採用に関するAIシステムは、上から2つ目のレベルである「ハイリスク」に分類されており、システム提供者には、各種要件への準拠、品質管理システムの策定・文書化、EUデータベースへの登録といった義務が課されます。

 ただし、2025年4月に発表された「AI Continent Action Plan(AI大陸行動計画)」では、主要な柱の1つとして規制の簡素化が掲げられており、今後の具体的な動きも注目されます。

アメリカの規制

 アメリカでは、バイデン政権下で2024年5月に「AI principles for worker well-being(労働者の福祉のためのAI原則)」が発表され、その詳細なロードマップとして「AI Best Practices roadmap」が10月に発表されました。ここでは、倫理的な開発、透明性、労働者の権利保護、人による監視の実施といった観点が重視されています。

 州・市においても法律制定の例が見られ、ニューヨーク市(Law Regulating the Use of Automated Employment Decision Tools, Local Law 144 of 2021)、イリノイ州(HB3773。人権法改正)で、AIの活用により生じる雇用差別の禁止を狙いとした規制が置かれるようになっています。

 ただ、トランプ政権の発足およびその直後の大統領令により、従来の規制も変容を迫られる可能性が否定できません。アメリカにおける規制の動きについても、引き続き注視が必要です。

中国におけるAI面接ツールの例

 中国でもコロナ禍をきっかけとしてリモート面接が広がり、さらに技術発展に伴ってAI面接が急速に普及しています。また、大学新卒者の増加という社会的背景もあり、候補者を絞り込むための手段として多くの企業で導入が進んでいます。

海納

 AI面接官が候補者に対して深掘り質問も行う対話型のAI面接サービスで、中国国内で多数の大手企業に導入されています。面接評価に用いられる人材モデルの職種に応じた数の多さと正確さが特長で、直近では、AI面接官の能力向上や不正行為防止機能といったアップデートがなされています。

AI得賢招聘官(AI RecruiTas)

 自社開発のAIモデルを使用したAI面接サービスで、深掘り質問も可能なサービスです。また、候補者からAI面接官に対して質問を行い、これにAI面接官が回答を提供することで、企業の情報や魅力を候補者に伝えることも可能となっています。

中国における規制

 中国では、生成AIサービスを規制対象とする「生成AIサービス管理暫定弁法」が2023年8月に施行されており、AI面接に関するサービスも対象に含まれるとの指摘があります。規制対象となるサービスを中国国内で提供する場合、サービス提供者は、サイバーセキュリティ、データセキュリティ、個人情報保護等に関する中国の各種法令の遵守、サービスの届け出といった義務を負うものとされています。

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AI面接の実態と限界

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この記事の著者

橘 大地(タチバナ ダイチ)

株式会社PeopleX 代表取締役 CEO。AIによる採用面接・人事評価サービス協議会 代表理事。2010年東京大学法科大学院卒業。弁護士資格取得後、株式会社サイバーエージェント、GVA法律事務所にて、弁護士として企業法務活動に従事。2015年に弁護士ドットコム株式会社に入社し、クラウド契約サービス...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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