キャリアオーナーは自分自身。WILLを重視するのもそのため
次に、天野氏はニトリがどのような想いを持って採用活動に臨んでいるかを語った。
「弊社には、『君の夢は、君を創る。』という採用フィロソフィーがあります。その言葉が生まれた背景には、『キャリアオーナーは自分』であるとの想いがあります。社員1人ひとりが ロマン(夢)を掲げて、その夢の実現から逆算したキャリアイメージをつくり上げていきます。学生の方々にも就職活動を通じてしっかりと考え、学び、そして成長していただきたい。そんな想いを込めています」(天野氏)
ニトリは、採用フィロソフィーをただ単に掲げるだけではない。採用活動すべてが、そのフィロソフィーから逆算された設計となっている。年間3万人もの学生が参加するインターンシップもその一例だという。
キャリアを捉える際に、「WILL」「CAN」「MUST」の順でイメージを構築していく考え方がある。要は、自分自身がどうありたいのか、どうなりたいかという「WILL」からスタートし、そのためには何ができるようにならないといけないかという「CAN」、そしてそれを実行するにはどうならなければいけないのかという「MUST」を逆算して思考していくというものだ。インターンシップでは就業体験がメインになるので、一般的には「CAN」を中心に進めていくがニトリでは違う。
「私たちは、『CAN』の前にある『WILL』を醸成することに力を入れています。過去の体験から自分自身の価値観を知ってもらい、そして大切にしたい価値観を言語化していく。提供したい価値観を実現する方法も『WILL』を考えることで、自分自身が成し遂げたい夢や働く目的が生まれてきます。そのうえで、自分がどう成長していかなければならないのかという『MUST』の部分ですら、ワクワク感を感じられる設計にしています」(天野氏)
他社のように兼務ではなく、専任のリクルーターが学生1人ひとりに寄り添い、働く目的や夢発見のサポートをしてくれるのもニトリの特徴だ。しかも、そのフォローアップはインターンシップ期だけでなく、選考期、もっといえば入社に至るまで続くという。
そうした活動を進めていく中で、直近では14万人もの学生がニトリにエントリーしているという。就職希望人数が50万人超といわれている中、実に学生3.5人に1人がエントリーしていることになる。このうち、インターンシップ選考者は3万人、選考希望者が2万人、最終的には1100名超がグループ各社に入社している。いかに、学生から支持されているかは、各種人気ランキングで1位に輝いていることで明らかだ。
「こうした結果は、いまいる社員のエンゲージメントを高めてくれるだけでなく、人的資本にも欠かせなくなっていると自負しています」(天野氏)

