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人事業務のどこに効く? 生成AI活用の「今」と「これから」| 第3回

生成AIを“人事戦略の武器”にするには? 克服すべき「データのサイロ化」と「AIエコシステム」の未来

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AIエコシステム実現に向けた段階的アプローチ

 このAIエコシステムという構想は壮大に聞こえるかもしれませんが、一直線にそこを目指す必要はありません。現実的には、次のような段階的なアプローチが考えられます。

ステップ1:データの集約・統合(基盤構築フェーズ)
まずは、本章の前半で述べたとおり、社内に散らばる人事関連データをデータレイクなどに集約し、一元的に活用できる状態をつくることがすべての出発点です。
ステップ2:単機能AIエージェントの育成(価値実証フェーズ)
次に、統合したデータを使って、特定の課題を解決する専門家として「単機能のAIエージェント」を1つ開発・育成します。まずは、社内のキャリアパスデータを学習し、社員の相談に乗る「キャリア支援エージェント」や、自社のスキル定義に基づいて履歴書を分析する「採用候補者スクリーニングエージェント」など、成果が見えやすいものから着手するのがよいでしょう。ここで小さな成功体験を積み、AI活用の有効性を社内に示すことが重要です。
ステップ3:AIエージェントの連携・拡張(エコシステム化フェーズ)
複数の単機能AIエージェントが育ってきた段階で、初めてそれらを連携させ、より複雑な課題解決を目指します。さらに、APIを介して外部の優れたAIサービスと接続することで、自社のAIエージェントは常に最新の知見を取り込み、進化し続けます。この段階に至って、ようやくAIエコシステムが本格的に機能しはじめるのです。

 さらに、これらのステップをうまく進め、機能させるためには、次のような仕組みづくりが欠かせません。

データガバナンスとセキュリティ
データの品質や整合性を担保すると同時に、セキュリティを確保することで、安心して利活用できる環境を整える。
スモールスタートの実践
成果が出やすい領域から段階的に取り組み、実績を積み上げることで社内の理解と支持を広げる。
人事担当者のスキル転換
データ分析や生成AI活用のリテラシーを高め、人事部門をオペレーション中心から戦略部門へとシフトさせる。

 このように、「ジョブ定義」と「データ基盤」という土台を整え、それを支える運用・人材の仕組みを組み合わせることで、日本企業も生成AIを単なる効率化のためのツールではなく、人事戦略を推進する基盤として位置づけることが可能になります。

生成AIとデータ活用が切りひらく人事の未来

 生成AI時代において、人事DXの本丸は「データ活用」にあります。

 日本企業は導入率という「量」の面では一定の成果を示しました。しかし、これからは「質」の高い活用へと転換しなければなりません。そのためには、人事制度の見直し、データ基盤の整備、文化的な変革が不可欠です。

 生成AIを支えるのは技術そのものではなく、データに基づいた意思決定を可能にする仕組みと文化です。日本企業がこの転換を果たせるかどうかが、これからの競争力を左右するでしょう。導入の先にある「人材戦略への貢献」こそ、生成AI時代の人事に求められる最大の使命なのです。

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この記事の著者

袋瀬 淳(フクロセ ジュン)

株式会社Works Human Intelligence/WHI総研大手不動産会社にて企業の寮や社宅の運用支援を通じた業務改革に従事後、Works Human Intelligence入社。保守コンサルタントを経て、多くの企業を見てきた経験を活かし、人事全体の事例・トピックスの研究・発信活動を行って...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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