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2026年2月5日(木)@オンライン

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探求!「働きやすいけどやりがいもある組織」のつくり方 | vol.2「積水ハウス株式会社」

“強い組織”実現の裏に「男性育休取得率100%」があった 積水ハウスが伝えたい「会社のメリット」とは

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 働きやすい職場づくりと、個人が最大限に力を発揮できる環境。その両立を本気で目指す企業にフォーカスする本連載。今回も、ワーキングペアレンツ向け転職サービス「withwork」を展開するXTalent株式会社の上原達也氏とともに、制度や風土づくりの工夫、そしてそこで働く人々のリアルな姿から“幸せな働き方”のヒントを探っていく。今回は、男性育休取得の推進を2018年から始め、『男性育休白書』を毎年発行するなど日本企業をリードする積水ハウス株式会社にインタビュー。同社が徹底する「男性育休取得率 100%」の裏側を聞いた。

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「1ヵ月以上の男性育休」を経営戦略に 業績への影響は?

上原:貴社では、男性社員の育児休業(以下、男性育休)を積極的に推進していますよね。

来田亜沙子氏(以下、来田):はい。当社は2018年9月に「男性社員1ヵ月以上の育休完全取得」を掲げ、3歳未満の子を持つすべての男性社員を対象に、少なくとも1ヵ月(31日)以上の育休を取得するように進めています。育休1ヵ月分(31日分)を有給扱いとし、最大4回まで分割取得が可能です。

 この制度は管理職を含むすべての社員が利用でき、2025年10月末時点で男性育休取得率は100%を達成しています。

来田 亜沙子氏

来田 亜沙子(きだ あさこ)氏

積水ハウス株式会社 人事総務部 労政企画部 ワークエンゲージメント推進グループ チームリーダー

2003年入社。展示場内務など事業所勤務を経て、現在は人事総務部で仕事と育児の両立支援業務を担当。

上原:「完全取得」という取り組みがとても力強く感じられます。ここまで徹底している企業はなかなかありませんが、この制度が生まれた背景には、どのような経緯があったのでしょうか。

来田:2018年当時、すでに当社には「ハローパパ休暇」という4日間の特別休暇制度があり、取得率は約95%、平均取得日数は2日ほどでした。多くの男性社員が活用していましたが、出産時の送り迎えや短期間のサポートにとどまっていたのです。

 そんな中、社長の仲井嘉浩が出張先のスウェーデンで見た光景が転機となりました。公園では多くの男性がベビーカーを押し、カフェでは父親同士が気軽に語り合うなど、男性が当たり前のように子育てに関わっていたのです。仲井は「これこそ本来の“父親の姿”だ」と感銘を受け、「ぜひ、わが社でもこのような文化を根づかせたい」と帰国後すぐに方針を示し、「男性の育休取得」を経営戦略の一環として位置づけ、トップダウンで推進しました。

上原:現場から懸念の声は出なかったのですか。

横山亜由美氏(以下、横山):営業サイドからは、「それで業績は大丈夫なのか」という声がありました。前例のない取り組みだったので、それも当然の反応です。しかし、私たちは“住まい”を提供する会社。蓋を開けてみると、男性社員が実際に育児に関わることで、生活者としての新しい視点が次々と生まれるなどの大きなメリットがありました。

横山 亜由美氏

横山 亜由美(よこやま あゆみ)氏

積水ハウス株式会社 ESG経営推進本部 ダイバーシティ推進部長

2004年入社。熊本支店での営業職を経て2023年2月にダイバーシティ推進部に異動。2025年2月から現職。

 たとえば、「お風呂から上がったら脱衣所は広いほうが使いやすい」「家事をするなら動線がすっきりしていたほうが効率がよい」といったリアルな実感です。そうした体験をもとに、自分の言葉でお客様に提案できるようになり、結果的に顧客満足度の向上にもつながりました。

「事前に分かっている休みすら取れない組織は、強い組織と言えないのでは?」

上原:どのようにして「男性育休の完全取得」を社内に浸透させていったのでしょうか。

来田:まず意識したのは、「育休を福利厚生として“取りたい人だけが取るもの”にしない」ことです。前述のとおり、経営のトップが「男性育休は経営戦略の一部」と明確に位置づけたことで、組織として必ず全員が実践できるように仕組みを整えました。

 たとえば、育休は事前に時期が分かる休みですよね。社内では、「事前に分かっている休みすら取れない組織は、強い組織とはいえないのでは?」というメッセージを共有しました。上司たちにも理解してもらうため、説明の場を設け、“強い組織をつくるためのマネジメントトレーニング”として進めていきました。

 また、育休取得者には、休みに入る前に「育休取得計画書」を作成してもらいます。取得時期や期間を明確にし、業務の引き継ぎや進行計画を整理してチームで支え合う体制をつくるためです。

 さらに特徴的なのが「家族ミーティングシート」です。これは、育休開始前から育休中、終了後にかけての家事・育児の分担や、家庭としてのありたい姿を夫婦で話し合うためのツールです。「なぜ育休を取るのか」「どのように過ごすのか」「復帰後はどう役割を分担するか」などを話し合うことで、育休が単なる“休み”ではなく、家族と向き合う時間にするための仕掛けです。

家族ミーティングシートは誰でもダウンロード可能。ぜひ活用してみては。
家族ミーティングシートは誰でもダウンロード可能。ぜひ活用してみては。
[画像クリックで拡大表示]

上原:まさに、“家族がどう過ごすか”に焦点を当てているのですね。

来田:そうです。そして、コロナ禍を経て「急に自分が休まなければならない」という状況が現実化したことで、業務の棚卸しやチームで助け合う重要性が全社に浸透しました。育休の仕組みを通じて、自然と助け合う風土が醸成され、結果的に“誰が抜けても回る強い組織”をつくる土壌につながったと思います。

上原:実際に制度を利用された槻並さんは、どのように感じられたのでしょうか。

槻並省吾氏(以下、槻並):私には子どもが4人います。第1子と第2子のときは、前職に勤めており、両家の親からサポートを受けながら、どうしても休まなければいけないときに有給休暇を使う、という形でなんとか乗り切っていました。正直、「それで十分やれている」と思っていたんです。

槻並 省吾氏

槻並 省吾(つきなみ しょうご)氏

積水ハウス株式会社 人事総務部 労政企画部 ワークエンゲージメント推進グループ

2018年キャリア入社。広報室を経て、現在は人事総務部に在籍。4児の父親で第3子と第4子にて、男性育休を取得。

 ところが、積水ハウスに転職してから、第3子のときに初めて男性育休を取得しました。その際に家族ミーティングシートを書いてみると、自分が家事や育児でカバーできていないことがいかに多いかに気づかされました。「今回の育休では、家のことはすべて自分がやってみよう」と決め、実際に100%自分が家事を担ってみると、想像以上に大変でしたが、それ以上に得るものは大きかったですね。

 また、育休後の働き方を会社に相談する際も、この家族ミーティングシートがとても役立ちました。たとえば「この日は子どもの送り迎えで早めに上がりたい」など、自分の考えを具体的に伝えるベースになる。家庭の状況を整理したうえで職場に伝えられるので、会社と家族の間のコミュニケーションの土台になったと思います。

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この記事の著者

山田 優子(ヤマダ ユウコ)

神奈川出身。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、大阪に拠点を移しさまざまな業界・職種を経験してきたが、プロジェクトベースの働き方に魅力を感じて2018年にフリーライターに転向。現在はビジネス系取材記事制作を軸に活動しながら、チームで商品企画・開発にも挑戦中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

タナカタイゾー(タナカタイゾー)

フリーカメラマン。日本写真映像専門学校卒業後、写真スタジオを経て独立。関西を拠点に広告、カタログ、雑誌の分野で活動。最近は子どもも成長し、休日は愛犬と一緒に1人と一匹でキャンプを楽しむ。

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